羽毛のように軽く舞い飛ぶオオカバマダラ(モナーク蝶)から、体重2,268キログラム以上にもなるゾウアザラシに至るまで、サンルイスオビスポ・カウンティは、驚くほど豊かな生き物の宝庫。そして、その観察方法も数多く用意されています。まずは、サンシメオンから北に約11キロメートル、ハイウェイ1号線沿いにあるピエドラス・ブランカス(「白い岩」という意味のスペイン語)と呼ばれる険しい海岸線に向かいましょう。ここは、一時は狩猟によって絶滅の危機に瀕したゾウアザラシが、今や17,000頭も集合するユニークなスポット。繁殖地である岩場や砂浜に群れを成し、子育てや毛づくろい、休息する姿を見ることができます。砂浜の上に設けられた観察エリアからは、ワゴン車サイズのゾウアザラシが、大きな声で吠えながら陣地争いをするオスに混じり、やや小柄でおとなしいメスが、葉巻のようにふっくらとした幼獣の世話をしている様子が伺えます。現地には、知識が豊富なガイドがほぼ常駐しています。
10月下旬から2月にかけては、ピスモ州立ビーチの森で、オレンジ色と黒のコントラストの羽根が美しいオオカバマダラ(モナーク蝶)の群れを見ることができます。冬の間、木々の間に無数の蝶々が折り重なって集まる光景はとても印象的。近年では、ここに集まるオオカバマダラの数は平均25,000匹程度ですが、ピークシーズンには100,000匹を超えることもあります。
モロベイでは、ラッコがお腹にのせた貝を石で割る音に耳を澄ましてみてください。空と海を見渡せば、青サギや白サギの姿を目にすることができます(モロベイ州立公園にある自然史博物館の近くには、海岸線に沿って生き生きとした様子が見られる群生地があります)。このほかにも、夥しい数の渡り鳥やハヤブサ(モロロックで営巣するつがいも珍しくありません)が水辺を賑わせています。物知りガイドが案内するカヤックツアーもおすすめです。湾を横切って進めば、海中に潜るウミウや日光浴をするアシカ、そしてラッコの姿も楽しめ、地元でさかんな牡蠣の養殖についても学ぶことができます。湾の反対側に着いたら、高く盛り上がる砂丘に登りましょう。ここはホエールウォッチに絶好のスポット。外洋を行くシロナガスクジラ、コククジラ、ザトウクジラなどの勇姿を眺めてください。