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カリフォルニアのクラフトビール飲み比べ
ジョージ・ルイーズ/フリッカー

クラフトビールブーム

カリフォルニア・クラフトビール協会によると、州内全域には900か所を超える醸造所があり(これを読んでいるうちに、もっと増えていそうですが)、今や、空前のクラフトビールブームが起きています。繰り返しますが、大・大ブームが起きているのです。コーストレッドウッドがそびえ立つ最北端から、酷暑の太陽がジリジリと照りつけるモハーベ砂漠まで、クラフトビールのムーブメントはゴールデンステートにあまねく広まっています。世界的なワイン生産地であるナパバレーでさえ、新設したマイクロブルワリーを声高に宣伝しています。 そして当然カリフォルニアですから、クラフトビールも革新的です。

  『クラフト:カリフォルニアビール・ドキュメンタリー』 を監督した作家ジェフ・スミスは、「チョコレートからシナモン、ハバネロペッパー、バニラ、カレー入りなど、原料のリストは絶え間なく変わり、終わりがありません」と話します。 

この現象は一夜にして起きたわけではありません。 アンカー・ブルーイング(サンフランシスコ)と、ニューアルビオン・ブルーイング・カンパニー (ソノマ)、そしてシエラネバダ(チコ)は、70年代と80年代のクラフトビールの火付け役となりました。90年代になると、70以下だったカリフォルニア州のブルワリー数はおよそ200まで増え、ラグ二タス(ペタルマ)やバラストポイント(サンディエゴ)など揺るぎない地位を築いたブルワリーが足場を固めました。

しかし、実際に急増したのはここ10年間です。最近ブルーイング協会から全米で8番目に大きいクラフトビール醸造所として認定されたエスコンディードのストーン・ブルーイングや、限定版や実験的醸造で知られるサンディエゴのグリーンフラッシュ・ブルーイング・カンパニー、素晴らしいホップの豊かさを特徴とするビールを揃えたオーバーンのニー・ディープ・ブルーイング・カンパニーなどの成功によって、カリフォルニアは全米最大のビール生産量を誇る州となりました。

カリフォルニアのクラフトビールシーンを体験できる場所を地域別にご紹介しましょう。

ストーンブルワリーのパティオ
デイブ・ローリドセン

サンディエゴ・カウンティのクラフトビール醸造所

サンディエゴ・カウンティのクラフトビール醸造所
お日様輝く南部が、クラフトビールを引き寄せる

サンディエゴは早い時期からクラフトビールが爆発的な人気を集めた場所で、現在サンディエゴ・ブルワーズ・ギルドには130以上のクラフトビール醸造所が名を連ねています。メンズ・ジャーナル誌は全米の「トップ・ビール・タウン」に選出し、ニューヨークタイムズ紙は、「急速にアメリカで最高のクラフトビールシーンになりつつある街」とたたえました。

まずは有名どころから始めましょうか。共同設立者であるクリス・クレイマーの従兄(彼がドイツ出身のブルーマイスターだったのは「単なる偶然」ではないはずです)に因んで名づけられた、1989年創業のカール・ストラウス・ブルーイング・カンパニーと、ビアガーデンを完備した巨大な本社をエスコンディードに構え、小売店、農場、パブなどをペトコパークやリバティステーション、サンディエゴ空港に展開しているストーン・ブルーイング・カンパニー

そしてこちらも忘れてはいけません。ロストアビー(瓶内発酵エールで有名)、エールスミス(イングリッシュスタイルのエールが専門)、バラストポイント(ハバネロ・スカルピンIPAやカレー・エクスポートスタウトなどの季節ごとのビールを醸造)およびグリーンフラッシュなどのクラフトビール醸造所は、いずれも地元客や世界中のビール愛飲家から極めて高い評価を得ています。

これらの有名どころは、サンディエゴのクラフトビールシーンをほんの少しかじっただけに過ぎません。もし、知る人ぞ知るという感じのブルワリーをお探しなら、それはもう長いリストがあります。その中でもお勧めなのは、ベルチング・ビーバー・ブルワリーソシエテ・ブルーイング・カンパニーピザ・ポート(名前で判断してはいけません。ピザも作る最高レベルのブルワリーで5ヵ所で展開しています)、アルパイン・ビア・カンパニーワイルドバレル・ブルーイングコロナド・ブルーイング・カンパニーマザーアース・ブルーカンパニー、とざっとこんな感じです。

サンディエゴ・ブルワリーツアースカベンジャー・ビアー&アドベンチャーツアーなどが提供するツアーや、楽しく周るブルーホップなどのツアーでの楽しみ方も増えています。ツアーなら、運転の心配もなく様々なロケーションで色々なクラフトビールが楽しめます。またツアー中にビールにまつわる見識を情報交換するのも楽しいでしょう。

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コディアック・グリーンウッド

シャスタ・カスケードのクラフトビール醸造所

シャスタ・カスケードのクラフトビール醸造所
エールの醸造技術を洗練させたカリフォルニアの醸造家たちに乾杯しましょう

北カリフォルニアはクラフトビールブームの源。その流れはサンフランシスコのアンカー・ブルーイングから、若々しい大学街チコの シエラネバダ・ブルーイング・カンパニーへ渡り、そこから世界的なブームとなりました。 実際、カリフォルニアの地ビール醸造所はビールの飲まれ方を変え、ビールを単にスポーツファンが飲むものではなく、通も楽しめるものへと進化させました。

「実際、カリフォルニアの地ビール醸造所はビールの飲み方を変え、ビールを単にスポーツファンが飲むものではなく、通も楽しめるものへと進化させました。」

テイスティングルーム/レストラン/醸造所が一体となったシエラネバダブリューイングの広い施設を訪れて、ブーム発祥の地で試飲を楽しみましょう。ガイドなしで歩いても充分楽しめますが、カリフォルニア最大の民間所有の太陽光設備を紹介する持続可能性ツアーや、醸造所の内部構造を詳しく見て回れるツアー(最大5人まで)など、ガイド付きツアーに参加するのもおすすめです。タップルーム&レストランの木陰のパティオで、冷たいビールを楽しむのはいかがですか。

シエラネバダブリューイング社 は、この地域に少量生産の醸造所がオープンするきっかけとなり、また学生街という環境がこの流れを後押ししました。ダンスミュア・ブルワリー・ワークスでは、グッドボーイポーターを背の高いパイントグラスで味わい、ウィードのマウントシャスタ・ブルーイング・カンパニーでは、ウィードゴールデンエールやマウンテンハイIPAをお楽しみください。ラッセン・エール・ワークスは、1862年に造られた大西部時代のランドマーク、スーザンビルのパイオニアサルーンの中にあります。ここではトンプソンピーク・ピルスナーやアルマノア・アンバー、また季節限定ビールなど8種類のビールが造られています。のんびりした雰囲気で犬連れもOKのザ・ブルーイングレイアーの屋外スペースでは、コーンホールやスラックラインが楽しめ、またステージではコンサートも頻繁に開かれます。 

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ジョルジオ/Flickr

サンフランシスコのクラフトビール醸造所

サンフランシスコのクラフトビール醸造所
カリフォルニアのクラフトビールブームの発祥地を訪れましょう

ブルワーズ・ギルドに所属している醸造所がすでに30を超え、そのすべてが市内の約120平方キロメートルに存在していることから、この湾岸の街はビール愛好家のメッカとして有名です。その筆頭とも言えるアンカー・ブルーイングは1800年代後半に創設され、1965年の経営危機ではビールの第一人者フリッツ・メイタグによって救われました。そして1979年以降は、太陽の降り注ぐポトレロヒルで、有名な「スチーム」ビールをはじめとする10種類以上のビールを作り続けています。メイタグは、市内に数を増やしていた新世代の醸造家たちに強い影響を与えました(サンフランシスコのパッチワークのような個性あふれる市内散策を勧める理由がここにあります)。

樽内熟成のビールを味わいたければ、ヘイトアシュベリーにある地元で人気のマグノリア・ガストロパブ・アンド・ブルワリーへどうぞ。お洒落で個性的なミッション地区のウッズ・ビア・カンパニーでは、南米のハーブティー、イェルバマテ茶を使って醸造した珍しいビールが楽しめます。マテベザIPAかモルフォをお試しください。イェルバマテやハイビスカス、ベイリーフを使用した酸味のあるボタニカルビールです。サウスビーチで21stアメンドメント・ブルワリー(店名は禁酒法の廃止を定めた憲法第21条を意味し、ブルーフリー・オア・ダイIPAが有名です)は、近くのAT&T球場でのジャイアンツの試合のあとは特に賑やかです。エッジーな魅力で注目を集めている2つの新興エリアにも、特筆すべきブルワリーがあります。ドッグパッチで16種類のビールをローテーションで提供しているトリプル・ブードゥー・ブルワリーと、雑然としながらもヒップな雰囲気が漂うベイビューとハンターズポイントの間にあるスピークイージー・エール&ラガーです。

ベイブリッジを渡ったイーストベイにも、クラフトビール醸造所がひしめいています。サンリアンドロのドレイクス、アラメダのファクション・ブルーイング、オークランドのオリジナルパターン・ビアーフィールドワーク・ブルーイングがあるほか、バークレーには月明かりが楽しめるビアガーデンを備えたジュピター、活気あふれるトリプル・ロックなどがあります。そのまま東へ向かい、タップルームやブルワリーが点在するコンコード・ビール・トレイルを散策し色々なビールを味わいましょう。BART(ベイエリア高速鉄道)に乗ればすぐです。

ビールのグラウラー
シャノン・アリフ/Flickr

ロサンゼルスカウンティのクラフトビール醸造所

ロサンゼルスカウンティのクラフトビール醸造所
「天使の街」でもクラフトビールが大人気

カリフォルニア州の他の場所と比べて、クラフトビール革命に参加するのが遅かったロサンゼルスですが、今はかつてない大ブームで、街のいたるところにお洒落なタップルームがあります。

まずはイーストロサンゼルスにあり、街でいち早く2009年にクラフトビールを提供し始めたイーグル・ロック・ブルワリーに足を運んでみましょう。現在は親しみやすい雰囲気のコロラドブルバードにも支店があり、スティムラス・コーヒー・ベルギー・アンバーやマニフェスト・ヴィットなどの特製ビールを、驚くほど魅力的なメニューと共に楽しめます。パールオニオンとセロリアックの付け合せを添えた豚ほほ肉や、コーニッシュ鶏のポテトとラディッシュ、ネトルのチミチュリソース添えなどは、そんな極上の料理の一例です。

次は、エンゼル・シティ・ブルワリーで生ビールと壁にかけられたアートを堪能。開放感あふれるギャラリーのような空間には、地元アーティストの作品が展示されています。そしてセレブに人気の緑豊かなグレンデールには、ゆったりした雰囲気をたたえるザ・パブ・アット・ゴールデンロードがあります。329デイズ・オブ・サン・ラガーやウルフ・アマング・ウィーズIPAなど、ゴールデンロード・ブルワリーのビールをのんびりと味わってください。

厳密にはブルワリーではないのですが、LAを訪れるビールおたくは、人気急上昇中のミッケラーDTLA(ダウンタウンLA)のセレクションから何種類か飲まずには帰れないでしょう。デンマークのビール職人ミッケル・ボルグ・ビャーウス氏が世界中の20か所で展開する中でも最大級のタップルームです。ロサンゼルスからは マムフォードスリーウィーバーズクラフツマンをはじめ40種が、またサンディエゴのミッケラーの醸造所からも12種ほどが集められています。

街の北部にあるコネホバレーでは、地元で人気のレディフェース・エール・カンパニーがおすすめ。南部も負けません。人気の3軒、エルセグンド・ブルーイング(エルセグンド)、モンキッシュ・ブルーイングトーランス)、そして1990年創業のベルモント・ブルーイング・カンパニーロングビーチ)で、クラフトビールの魅力を探ることができます。 

クラフトビールのパイント
erinpluskev/Flickr

ゴールドカントリーのクラフトビール醸造所

ゴールドカントリーのクラフトビール醸造所
ゴールドラッシュに勝るとも劣らないカリフォルニア州都の「ビールラッシュ」

カリフォルニア州全域にクラフトビール醸造所があることを考えると、州都のサクラメントで毎年サクラメント・ビールウィークが開催されるなど、独自のクラフトビールシーンがあるのも納得できます。ホッピー・ブルーイング・カンパニーは、近くにあるカリフォルニア州立大学サクラメント校の若者に人気のスポット。トラック・セブン・ブルーイング・カンパニーのタップルームでは、ぜひヌーキンファッツ・インペリアル・ピーナッツバター・チョコレートクリーム・ポーターをお試しあれ。もしそれはちょっと過激過ぎると感じるなら、ビーライン・ブロンドエールはいかがでしょう。またこの店の前には何台ものフードトラックが出現することでも有名です。ニュー・ヘルベチア・ブルーイング・カンパニーでは、幾度となく受賞したホームランド・スタウトをぜひ試してみましょう。そしてサクラメントの北東に位置するフォルサムの街には、公開ブルワリーを自称するレッドバス・ブルーイング・カンパニーがあります。ここでは誰もが醸造家のレシピをみることができます。お隣には同じオーナーが経営する自家醸造のための道具や材料を売るブルーマイスターがありますので、ぜひ学んだレシピを活用しましょう。

クラフトビールが流行り始めているネバダカウンティにも足をのばしてみましょう。ネバダシティのスリーフォークス・ベーカリー&ブルーイングでは、ダイナマイト・ダブルIPAを片手にパリッとしたクラストのサワードウのピザやグルテンフリーのインスーシアンス・ケーキ(なんの心配もなく楽しめるケーキ)をどうぞ。もうひとつネバダシティにはジェーニガンズ・タップハウス&グリルがあります。ここでは大画面テレビでスポーツを見ながら、12種類の生ビールからお好きな一品を味わえます。ネバダシティから約6.4キロメートルのグラスバレーのサースティ・バレル・タップハウス&グリルには、自家製のビールが24種以上もあります。

クラフトビール飲み比べ
ハンガー24

インランドエンパイアのクラフトビール醸造所

インランドエンパイアのクラフトビール醸造所
周辺の街にもワインカントリーにもクラフトビールブームが波及

この陽光あふれる南カリフォルニアにも、多数のクラフトビール醸造所が誕生しています。リバーサイドとワインの産地としてすでに人気のテメキュラバレーは、クラフトビール醸造所やフレッシュな地ビールを出すレストランの集まる二大スポットとなりました。

ウエスタンスタイルのテメキュラの街では、ブルワリーで供されるビールもユニークで、これまた妙な名前がつけられています。たとえば、アフターショック・ブルーイングのキャンディード・ヤム・ブラウンエール、ブラック・マーケット・ブルーイングのアフターマス・ペールエール、レフュージ・ブルワリーのブラッド・オレンジ・ウィット、そしてアイロンファイアー・ブルーイングの6キラー・スタウトなどなど。

リバーサイドの広大な学園都市にあるユーライリー・ブルーイング・カンパニーでは、サイクロプス・ココナッツ・ポーターやペルセウス・ペールエールが人気。またウィックス・ブルーイング・カンパニーはインランド・エンパイアでも最大級のブルーパブで、なんと25種類の生ビールに加え、自家醸造を楽しむ地元の人のために「ゲストタップ」も用意しています。 ガストロパブ、ソルテッド・ピッグは、ボリュームたっぷりのハンバーガーやパスタとともに、地元産のビールのみを提供しています。

インランドエンパイアの他の街でも、クラフトビールがブームを迎えています。魅力的な学生街のレッドランズでは、ハンガー24クラフト・ブルワリー(この店の「中核ビール」オレンジ・ウィートは地元の主要産業に対するトリビュートです)のフレッシュなビールや、リチュアル・ブルーイングのベルギースタイルのエール、モンクズランチが味わえます。

またアップランドのラストネーム・ブルーイング(旧デール・ブラザーズ・ブルワリー)では、少なくとも8種類の自家製ビールからお気に入りの味を見つけることができます。またロックハウス・ブルーイング・カンパニーに立ち寄り、自称「荒っぽく作られた」ビールをお試しあれ。サンバーナーディーノではブルー・レベリオンがお勧め。各種類、30〜50ガロンという少量生産のブルワリーですので、もしここでお気に入りを見つけたら、買いだめしておくことをお勧めします。

コーチェラバレーのブルワリー
コーチェラバレー・ブルーイング・カンパニー

砂漠地帯のクラフトビール醸造所

砂漠地帯のクラフトビール醸造所
砂漠の喉の渇きを癒すには ビールがぴったり。

カリフォルニアのパームスプリングス周辺の壮大な砂漠地帯の公園を1日歩き回った後には、ひときわビールが飲みたくなるでしょう。この街のビールシーンはここの気候ほど(まだ)熱くはないですがが、それでもキリリと冷えたビールが待ち受けるクラフトビールの醸造所が何ヵ所かあります。

たとえばランチョ・ミラージュでは、金賞を獲得したブラックフィン・ラガーをベイブズ・バーベキュー&ブルーハウス・アット・ザ・リバーで楽しめます。この地域では最古参のブルワリーです。毎週月曜日はほとんどの生ビールが半額です。世界で35以上の賞を獲得したビールのセレクションですから、何を選んでも間違いなし。

サウザンドパームスのコーチェラ・バレー・ブルーイング・カンパニーでは、地名と韻を踏んだコルシェラという名前のビールが喉の渇きを癒してくれます。また金曜と土曜の夜はブルワリーの無料見学ツアーも。地元ではCVBと呼ばれるこのブルワリーは、持続可能性にこだわり、水の使用量と排水量が既存のシステムよりかなり少ない、効率の良い醸造システムを採用しています。また醸造で使われる穀物の残り粕は、地元の酪農家が家畜の餌として使用し、無駄がありません。

すぐ近くのパームデザートなら、ラキンタ・ブルーイング・カンパニーのフレンドリーなタップルームで、バーボンバレルエイジド・コフィポーターをどうぞ。近くにはもう2軒、パームスプリングス・タップルームとラキンタのオールドタウン・タップルームがあり、そこでもビールが楽しめます。ハイデザートの街エスペリアでは、デザートバーン・ブルワリーのモハーベマッドIPAとサンタアナ・セゾンがお勧めです。

 

プライニー・ザ・エルダーのボトル
アダム・バーラン/Flickr

ナパ&ソノマのクラフトビール

ナパ&ソノマのクラフトビール
屈指のワインカントリーが生み出す極上のビール

世界に名高いワインの産地で、クラフトビールを思い浮かべる人は少ないはずです。しかし、とりわけソノマカウンティは、クラフトビール醸造でも名を馳せています。まずはチャーミングなペタルマへ立ち寄りましょう。ラグニタス・ブルーイング・カンパニー(現在はハイネケンの子会社)のビール職人がつくるクラフトビールは、伝統的なビールに対する過激な挑戦とパッケージに描かれた挑発的なメッセージで絶大な支持を得ました。市内にあるタップルームに試飲に行きましょう。人気のビールには正統派のIPA、そしてリトル・サンピン・サンピン・エールやホップ・ステューピッド・エールなどがあります。もう一軒、ソノマカウンティで外せないのがロシアンリバー・ブルーイングです。サンタローザにあるタップルームは、伝説のプライニー・ザ・エルダー・ダブルIPAを含む20種を取り揃えます。(ここは熱狂的なファンで混み合ってることを覚悟してください)

中には料理の充実したブルワリーもあります。シックかつヒッピー風なセバストポルにあるウッドフォー・ブルーイング・カンパニーでは、自社のビールに合わせてエアルーム品種の豆料理や豚の角煮などの料理も提供しています。ガーンビルストンプタウン・ブルワリー(店の前にある大きな白い発酵タンクが目印)では、自社のビール3種のほか、州内から取り寄せたエールやスタウトなどのゲストビールとカジュアルなグリル料理が楽しめます。お洒落でフレンドリーな雰囲気のヒールズバークは、街のいたるところにワインのテイスティングルームがあります。そんなワインの産地にあるベア・リパブリック・ブルーイング・カンパニーは、ワイン生産者(当然彼らもビール好きです)や地元の人と語らうのにぴったりです。ソノマから近いナパバレーでは、麦ワインのグレイトフル・ドッグで有名なナパ・スミス・ブルワリーや、歴史あるタネリーロウにあるタネリー・ベンド・ビアワークスなどを訪れて、パイントグラスで乾杯しましょう。

 

ザ・フィフティフィフティ・ブルワリー
フィフティフィフティ・ブルーイング・カンパニー

ハイシエラのクラフトビール醸造所

ハイシエラのクラフトビール醸造所
スキーやハイキングを楽しんだ後は高原のタップルームで乾杯

「高地へようこそ」というのが、マンモスレイクにあるマンモス・ブルーイング・カンパニーのスローガンです。カリフォルニアの高山には、のんびりとリラックスできるタップルームやパブが点在しており、このマンンモス・ブルーイングもそんな数ある醸造所の1つです。寒い日にゲレンデを滑走したり、夏場に公園で乗馬を楽しんだり、花崗岩が美しいトレイルを散策したりした後は、クラフトビール醸造所の冷たいビールで1日を締めくくりましょう。マンンモス・ブルーイングは、東に位置するホワイトマウンテンで収穫したエルダーベリーやホップなど、地元の食材を使い、その地ならではの特徴あるビールを生産しています。その成果をテイスティングルームや屋外のピクニックテーブルでぜひ味わってください。

マンモスレイクには、敷地面積が110平方メートルという、自称「ナノ醸造所」ブラックダウト・ブルーイングもあります。お勧めはベルギースタイルのエールと酸味のあるビール、他に樽熟成のビールもあります。マンモスレイクのすぐ北、ジューンレイクの山村にあるジューンレイク・ブルーイングのタップルームは、高い標高と多彩なビールが自慢です。クリーミーな泡立ちと、ほのかなスパイスがアクセントのアルパーズ・トラウト・ペールエールや、「ビール界のゴリアテ」と銘打ったヒュッテ・ダブルIPAなどが楽しめます。

レイクタホエリアにも、エールやスタウト、ピルスナーなどのクラフトビールを生産するマイクロブルワリーがいくつかあります。トラッキーにあるフィフティフィフティ・ブルーイング・カンパニーは、ゆったりとくつろげるレストランを備えています。バーボン熟成オーク樽で寝かせたエクリプス・インペリアル・スタウトは、是非とも試したい逸品です。またトラッキー・ブルーイング・カンパニーでは毎週月曜日(祝日を除く)、全てのビールが半額になります。タホシティのタホ・マウンテン・ブルーイング&ブルーパブでは、醸造所を無料で見学できます。カリフォルニア州とネバダ州の境界近くには、湖の南岸にステートライン・ブルワリー&レストランがあります。ヘブンリーゴンドラの乗降場のすぐ近くに位置しているため、スキーの後のくつろぎスポットとして人気を集めています。 

フィゲロア・マウンテン・ブルワリー
フィゲロア・マウンテン・ブルーイング・カンパニー

セントラルコーストのクラフトビールブルワリー

セントラルコーストのクラフトビールブルワリー
ワインカントリーと大学町にもクラフトビールが定着

サンルイスオビスポ(別称SLO)カウンティにおける人口と醸造所の数の比率が正しいと考えるならば(当然そう考えるべきです)、米国全体に少なくとも3万3千軒の醸造所があるはずです(実際はおよそ6千軒ちょっと)。ということは、ほかの地域がサンルイスオビスポに大きく遅れをとっているということでしょうか。ここはビール愛好家にとって天国とも言える場所。今では12軒以上のマイクロブルワリーが受賞歴のあるビールを生産しています。

でもまずは、48キロメートルほど北のパソロブレスからセントラルコーストのビールツアーを始めましょう。ここには、多数の受賞歴を誇る、巨大なファイヤーストーン・ウォーカー・ブルーイング・カンパニーがあります。施設を見学した後は、ザ・タップルーム・レストランで季節のビストロ風料理をお楽しみください。

では、前述したサンルイスオビスポのブルワリーのホットスポット目指して南下しましょう。まずは1988年にこの地にはじめて開業したブルワリー、SLOブルーから始めることをお勧めします。若々しく活気のある大学街で人気が出るのも自然なことですが、セントラルコースト・ブルーイングタップイットバレルハウス7シスターズバン・ザ・ドラムなどのブルワリーが続々とオープンした今もなお、SLOブルーは根強い人気を誇っています。 

24キロメートルほど先の沿岸にある、海と大地がドラマチックに出会う場所がモロベイです。ガストロパブのザ・リバティン・パブでは、独創的なお料理と素晴らしいビールをどうぞ。セントラルコーストにあるワインカントリーの中心部を目指して南下すると、父親と息子が経営するフィゲロア・マウンテン・ブルワリーがあります。アロヨグランデからロサンゼルスの北のウェストレイク・ビレッジにかけて、5ヵ所のタップルームがあります。さらに南のゴレタにあるホリスター・ブルーイング・カンパニーでは常に15種の生ビールを常備しています。そして、当然サンタバーバラ。カリフォルニア大学サンタバーバラ校のあるイスラ・ビスタに近く、2万人以上の学生が住んでいます。市内にはピュア・オーダー・ブルーイング・カンパニーサードウィンドウ・ブルーイングテレグラフ・ブルーイング・カンパニーなどのブルワリーがあります。いずれもビール好きのブルワリー訪問リストには必ず載っている人気店です。

ローダイ・ビールのタップ
Quinn Dombrowski/Flickr

セントラルバレーのクラフトビール醸造所

セントラルバレーのクラフトビール醸造所
雄大なバレーのビールツアーに参加してビールを堪能

延々と広がるカリフォルニアのセントラルバレーには、ビール愛好家が喜びそうなクラフトビールの醸造所が多数あります。州内のブルワリーと比べると少し人里離れた場所にありますが、ここのビール業界を田舎くさいとあなどってはいけません。中にはIPAや樽熟成のスタウトなど、素晴らしいものがあります。

北から南に向かうと、最初に行き当たるのはローダイ・ビール・カンパニーです。ビアパブのダイニングルームの真ん中に光り輝く銅製のババリア醸造システムから注がれるドッペルボックを飲めば、セントラルバレーがクラフトビールの目的地である理由が十分理解できるでしょう。それからターロックのダスト・ボール・ブルーイング・カンパニーに立ち寄り、ホップス・オブ・ラスIPAをお楽しみください。また事前予約にてツアーも楽しめます。フレズノ自慢の醸造所セコイア・ブルーイング・カンパニーズタイオガ・セコイアフル・サークルも見逃せません。また近くのクロービスには、タップルームを併設したハウス・オブ・ペンドラゴン・ブルーイング・カンパニーがあります。メルリンズ・ミッドナイト・マイルドをぜひお試しください。セントラルバレーの南端にあるバイセリアでは、ブルーベーカーズ・ブルーイング・カンパニーで特製のセコイア・レッドを味わいましょう。

旅の終わりのベーカーズフィールドには2つの傑出したブルワリー、テンブロー・ブルーイング・カンパニーレンスワイズ・ブルーイング・カンパニーがあります。テンブローでは 毎週土曜の午後に、約1,800平方メートルの敷地に最新の醸造システムを誇るブルワリーを巡る無料のツアーがあります。ツアーの後にはメキシコスタイルのラガー、エル・セリートやヘイジーIPA(これを飲めば悩み事の99%は忘れるでしょう)をお楽しみあれ。レンスワイズでは、醸造所、パブ、マーケットプレイスのそれぞれで20種類以上のビールを楽しめます。

 

 

アナハイム・ブルワリーのビールジョッキ
アナハイム・ブルワリー

オレンジカウンティのクラフトビール醸造所

オレンジカウンティのクラフトビール醸造所
カリフォルニアで今、ビールといえばOC

サンディエゴとロサンゼルスというクラフトビールの街に挟まれて、オレンジカウンティの醸造家たちはさぞかし肩身が狭い思いをしているかというと、そんなことはまったくないようです。

アナハイムのクラフトビール業界は今やカリフォルニアでも急成長中で、現在15のブルワリーがあり、さらに増える見通しです。アナハイムの特筆に値する3軒をご紹介しましょう。まずはアナハイム・ブルワリー(禁酒法時代にいったん閉店し、90年後の2010年に再オープン)、そしてサンタアナ川の両岸には、お互いに3キロも離れていない場所にノーブル・エール・ワークス(ノーティ・ソース・スタウトとアイム・フォーザ・フェンスIPAがお勧め)とオールド・オレンジ・ブルーイング・カンパニーがあり、それぞれテイスティングルームを併設しています。

ほかにも多種多様のブルワリーがあり、迷ってしまいそう。ビール好きに長年親しまれているサンクレメンテには、レフトコースト・ブルーイング・カンパニーや、カウンティで最大の生産量を誇り、比較的新参のアーティフェックス・ブルーイング・カンパニー、そしてロストウィンズ・ブルーイングなどがあります。

プラセンティアでは、ザ・ブルーリーの受賞歴のあるエールやウィートビールをぜひお試しください。 このブルワリーの創業者一家の名前がルーといい、醸造を意味するブルーともじった名前になっています。またアナハイムにはブルーリー・テルーというティスティングルームもあります。ランチョ・サンタマルガリータには、丘陵に抱かれたシスモンテン・ブルーイング・カンパニーがあります(シスモンテンは「山のこちら側」という意味)。

他にもぜひ訪ねたい場所として、タスティンのパイオニア、1996年創業のタスティン・ブルーイング・カンパニーフラートンブートレッガー・ブルワリー(ブラック・フェニックス・チポトレ・コーヒー・スタウトという珍しいビールがおすすめ)、そしてタップルームに12種類以上のビールを取り揃えているオレンジカウンティのバリアント・ブルーイング・カンパニーがあります。

 

カリフォルニア州ブーンビル、ビールのメニュー板
コディ&マーリーン/Flickr

ノースコーストのクラフトビール醸造所

ノースコーストのクラフトビール醸造所
野趣溢れる環境で醸造したオーガニックビール

ノースコーストの心を揺さぶる海岸線と、レッドウッドが連なり霧が立ちこめる内陸は、クラフトビール造りにぴったりの環境です。ブーンビルからユーリカまでの行く先々で、ビールが訪れる人の喉を潤します。ノースコースト観光協会の勧める「ビアケーション」のコースをたどるのも良いでしょうし、下記のリストを参考に自分なりのコースを作るのも素敵です。

まずは「アメリカ初のオーガニック・ブルーパブ」である、ユカイア・ブルーイング・カンパニーのパブで12種以上のオーガニック生ビールからお気に入りを見つけましょう。ブーンビルのすぐ南に位置するアンダーソンバレー・ブルーイング・カンパニーは、1987年から地元に愛されてきました。特に人気なのはブーントアンバーとバーニーフラッツ・オートミールスタウトです。ここのビールには、すでに忘れられてしまった地元の方言、ブーントリングにちなんだ名前がつけられています。ですから勇気を出して妙な名前のビールを注文し、愛情を込めて「バール・ホーニン!(乾杯)」と言ってみてください。

マッキンリービルには、オーガニックかつ持続可能な運営にこだわるハンボルト・リジェネレーション・ブルワリー&ファームがあります。自社で使用する材料を全て栽培、麦芽、焙煎、醸造することを、禁酒法廃止以来初めてカリフォルニア州クラフトビール協会から認可されたブルワリーです。ペットや家族連れにもフレンドリーなタップルームでは、20種類以上のビールが楽しめます。またこの街には、英国スタイルのエールとポーターが自慢のシックスリバーズ・ブルワリーもあります。

海岸沿いのフォートブラッグにあり、1988年に設立されたノースコースト・ブルーイング・カンパニーは、受賞歴があるオールド・ラスプーチン・ロシアン・インペリアルスタウトを味わうために、必ず立ち寄りたい場所です。 またハンボルトカウンティでは、ユーリカにあるロストコースト・ブルーイングと、フォーチュナのイールリバー・ブルーイングが、どちらも昔の製材所跡を利用して建てられており、製材業で栄えた頃の名残を見てとることができます。そこから遠くないところにあるのんびりした街ブルーレイクにも、クラフトビールのベテラン(創業1989年)マッドリバー・ブルーイングがあります。地元の人気ビールはジョン・バーリーコーン・バーリーワインとシリアス・マッドネス・ブラックエールです。