ここは言わずと知れたグーグル、フェイスブック、そしてツイッターの本拠地。しかし、サンフランシスコのベイエリアは、都心を囲むように広大な土地が横たわる、アメリカ合衆国で最も自然豊かな大都市でもあります。サンフランシスコ周辺の広々とした自然に足を踏み入れると素晴らしい驚きが待っています。滝に見とれ、山の頂上に立ちすくんでください。岩肌に砕ける波を見つめ、古代からそびえたつセコイヤの森に畏敬の念を抱くでしょう。さあ、ハイキングシューズのひもを締めてローカルのハイキング・トレイルを歩き、サンフランシスコの自然を探索しに出かけましょう。素晴らしい景色だけでなくボーナス特典もあります。各ハイキングコースの終着地点からそう遠くない場所でランチやエスプレッソ、ワインテイスティングを楽しむことができます。
1. マット・デイヴィスとストリープ・ラヴィーン・ループ
往復12キロメートル
この半日コースは、太平洋の景色が広がる草に覆われた斜面、苔むした森林、そして流れ落ちる小川など、タマルパイス山の絵になるハイライトが楽しめるようになっています。ゴールデンゲート国立保養地の北にあるパントール・レンジャー・ステーションをスタート地点に、山のてっぺんから海へと優雅に弧を描くマット・デーヴィストレイルをたどります。午前10時に 出発すると、お昼くらいまでにはスティンソンビーチに到着します。パークサイド・カフェあるいはスティンソンビーチ・マーケットでエネルギー補給をして、ハイウエイ1号線とパノラミック・ハイウエイからディプシー・トレイルに入ります。草原の中をディプシーに沿って、スティープ・ラヴィーン・トレイルまで行きます。左に折れ、ウェッブクリークに沿って息を切らせながら勾配を進むと、そこには雄大なセコイヤの森とダグラスモミの木が小さな滝や透き通った滝つぼの周囲に立ちはだかったいます。この森の中のジグザグ道を登って行くと、車を止めた出発点に戻ります。
2. テネシー・バレートレイル
往復6.1キロメートル
ピクニックの用意をしてゴールデンゲートブリッジを渡り、国立保養地のテネシーコーブまで軽くハイキング。そこでは、押し寄せる波が浜辺の黒い砂を飲み込み、ペリカンが頭上を飛んで、絶え間ない潮の流れが沖合の岩に打ち付ける様子が見られます。テネシーバレーの広く平坦な道は、シャパラルの茂みで覆われた丘を通り抜けていきます。トレイルは鳥でいっぱいの小さな沼の手前で分岐しています。水際を左に折れてアヒルやサギを探しながらテネシーコーブに向かって歩きましょう。高い崖に覆われたこのポケットビーチは、1853年に蒸気船テネシー号が深い霧の中で難破したところです。約550人の乗員全員が助かりましたが、船は波で粉々になりました。昔の軍の貯蔵庫に向かって北西の断崖を行けば、ペリカンの目線で写真のように美しい入り江を眺めることができます。
3. ノースリッジとサンセット・トレイルループ
往復8キロメートル
仲間を集めてサンフランシスコ湾を船で渡り、エンジェル島でハイキングをしましょう。この家族向けのハイキングコースは、空のように青いサンフランシスコ湾を見渡せる島の一番高い所へ連れて行ってくれます。潮風の浴びながらフェリーに乗るだけでも楽しいでしょう(サンフランシスコ、ティブロン、バレーオから出ています)。アヤラコーブで下船、長い階段を上がるとノースリッジトレイルに合流できます。マウントリバモアの北側に向かってつづら折りの坂を登っていくと景色が開けてきます。サミットトレイルとの分岐点で、わずかに右へ240メートルの頂上を目指します。バークレー、サンフランシスコのテレグラフヒル、アルカトラズ島、ゴールデンゲートブリッジ、タマルパイス山、その他の有名なランドマークがたくさん見えます。この素晴らしい眺めと泣く泣くお別れしたら、サンセットトレイルで折り返します。フェリーで戻る前にエンジェル・アイランド・カフェに立ち寄り、野菜のラップやほぐしたポークのサンドイッチで一休みするのもいいでしょう。
4. ベリー・クリーク・フォールズ
往復約15キロメートル
シリコンバレーの西側に位置する古代のセコイヤの森と水しぶき輝く滝で、冒険に満ちた一日を過ごしましょう。まず公園管理局近くのスカイライン・トゥ・ザ・シートレイルを出発して、中には直径3.6メートル以上もの未開のセコイヤの木々の間を進んでください。行程のほとんどをきらきらと揺れる小川沿いを歩くことになりますが、黄色いバナナナメクジや、雨の多い季節にはお腹がオレンジ色したカリフォルニア・イモリをそこらじゅうで見かけるでしょう。7キロメートルほど歩くと、スカイライン・トゥ・ザ・シートレイルがベリークリーク・フォールズ・トレイルにぶつかり、木々の間から滝が蜃気楼のように現れます。右折すればもう一息で高さ約20メートルの滝に着き、セコイヤの木々に囲まれシダで覆われた崖から優雅に流れ落ちています。木の展望台の上に座って、デイパックからサンドイッチを取り出して、みずみずしい景色を楽しみましょう。
5. メアリー・バワーマン・ループトレイル
往復約1.3キロメートル
かなり短い距離ですが、ベイエリア東部のコンコルド近くにあるこの道を歩くだけの価値はあります。 メアリー・バワーマン・ループトレイルは高さ1,137メートルもある大きなディアブロ山の頂上を囲み、どこから見ても刺激のある眺めです。西にゴールデンゲートブリッジやファラロン諸島を望み、そして東に回ればシエラネバダ山脈の頂上が見えます。ディアブロ山のふもとにあるビジターセンターから出発しましょう。説明用のパンフレットをもらって、チャミーズやイエルバ・サンタ、ヒイラギガシなど、この土地ならではの植物を見つけて友達を驚かせましょう。赤いチャート岩の露頭でロッククライマーの遊び場になっているデビルズ・パルピットへ続く短いトレイルは絶対におすすめです。ハイキングの後は、車でライブオーク・キャンプ場のピクニックエリアに向かう公園の道を戻りましょう。少し歩くと、砂岩の露頭の固まりのロックシティがあり、お子さんたちがよじ登るにはぴったりです。
アン・マリー・ブラウン