窓の外を舞う雪、ストーブで薪がはぜる音、ベッドの上のダウンキルト— カリフォルニアの美しい山に囲まれた隠れ家のようなキャビンやロッジなら、寒い思いをせずに冬を楽しめます。「冬に山を訪れることは、自然を愛でながら家族や友人との時を過ごす貴重な時間です」と語るのはパティ・ブリッセンデン。彼女は夫のジョンと、レイクタホのすぐ南にあるソレンセンズ・リゾートにいくつかのキャビンを持っています。以下に、南から北へ向かう地域で雪を楽しめる隠れ家を、いくつかご紹介しましょう。(追記:これらのリゾートは年間を通して営業しているので、雪融けの後、山の穴場としても利用できます)
コージー・ホロー・ロッジ (ビッグベアレイク)
周囲の松に雪が降り積もるこの快適なリゾートはサン・バーナーディーノ山脈にあり、魅力的な冬の静養先です。暖炉とキッチンまたは簡易キッチン付きのごつごつした松で作られた、14のキャビンから選べます。主寝室にジャグジーのスパが付いているデラックス・キャビンが特にお勧めです。ビッグベアレイクにあるヴィレッジまでは、歩いてすぐです。近くにあるベアおよびスノーサミット山脈のスロープまでは車で簡単に行けるので、スキーを楽しむには恰好の拠点となります(ロッジは、スキー用具の割引レンタルも提供しています) 誕生日に行けば、無料スキーパスをもらえます。
レイク・アローヘッド・リゾート&スパ (レイク・アローヘッド)
サン・バーナーディーノ山脈、レイク・アローヘッドの裕福なコミュニティにあるこのクラシックなリゾートでは、20世紀初頭の優雅な生活を体験できます。熱いトディを手に、暖炉の傍でメインロビーにある磨きこまれたレザー製の肘掛け椅子に座れば、まるでアーネスト・ヘミングウェイが髭についた雪を払いながら横を通り過ぎてゆくような気分になります。リゾートにある162の客室と11のデラックス・スイートには、フラットスクリーンのテレビやふかふかの羽根布団など、様々な細かな気配りがなされていますが、「バス・バトラー」は他では見られない特別なものです。お部屋に冬期入浴用のデラックスなアメニティを届けてもらいましょう(中身は季節ごとに変わります)。
ロック・クリーク・ロッジ (マンモスレイク)
特に冒険心一杯な人にとって、これより素晴らしい冬のワンダーランドはありません。12月半ばから4月第一週までの間、ゲストは、スノーモービルに乗せてもらいこの遠く離れた場所にあるロッジまで来ることができます。ここはマンモスレイクとビショップの中間地点にあり、シエラネバダで最も大きく雪の多い山々に囲まれています。このロッジは、ノルディックスキーをする人やスノーシューでハイキングをする人にとっては理想的な場所です。ここでは、14キロメートル以上にわたる整備されたトラックに沿って行くこともできれば、トラックを外れ、隣接するジョン・ミューア自然保護区の素晴らしい奥地へと入っていくこともできます。防寒設備が整った 宿泊用 キャビンから雪が舞うのを見るのはもちろん、何といっても最高のお楽しみは、毎晩ゲスト達がメイン・ロッジに集まり、家族的な雰囲気の中で味わう4コースのグルメ・ディナーでしょう。お役立ち情報: 宿泊する時間がなくても、ディナーの予約ができます。
タマラック・ロッジ (マンモスレイク)
マンモスレイクは、その名を冠したスキー用の山で最もよく知られていますが、特に冬場は、街のはずれにある、この素敵な穴場を見落とさないようにしてください。職人の手で作られたような美しいキャビン(スタジオから3寝室タイプまで)のドアを開けると、そこはすぐに、手つかずの原野につながるクロスカントリーとスノーシューのトレイルです。(タマラック・クロスカントリー・スキーセンターはすぐ近くで、ここでレンタルの用具とレッスンを利用できます。)メイン・ロッジは、パチパチ音をたてる暖炉の火、使い込まれた数々のボードゲーム、深く沈み込む椅子、コーヒーに入れるスナップスの適量を心得たバーテンダーなど、冬にはぴったりの古き良き時代の雰囲気が溢れています。各キャビンには、設備が整ったキッチンが付いているので自分で食事を作ることもできますが、一度はぜひ、ロッジの定評あるレイクフロント・レストランでディナーをお楽しみください。特別料理は、地元産のアルパーストラウトです。
エバーグリーン・ロッジ (ヨセミテ近郊グローブランド)
情報通なら、ヨセミテを訪れるのに一番よい季節は冬だということを知っています。雪に覆われた公園を、独り占めする気分になれるからです。この秘密のシーズンにこっそりここを訪れ、ヨセミテの西口から車ですぐの所にあるエバーグリーン・ロッジにお泊まりください。このロッジは1920年に建てられましたが、その後美しくアップグレードされた88のキャビンがあります(お勧めは、キングサイズのベッドと暖炉がある25のデラックス・キャビンです)。オーナーがガイドを務めるスノーシューによるウォーキング・ツアーに参加し、セコイアの林や近隣のサイトを探訪してください。オーナー達は年初に長い休暇を取るため、通常、ロッジはお正月直後から2月のバレンタインデーまで閉鎖されていることにご注意ください。
ソレンセンズ・リゾート (ホープバレー)
こののどかなキャビンの一群は、何10年にもわたり家族連れに人気があります。これらのキャビンが並ぶ施設は、レイクタホの南30分ほどの所にあり、元は最小限の設備だけを備えた釣り用ロッジとして使われていました(ブルーリボン指定のウエスト・フォーク・カーソン・リバーは、道を隔てたすぐの所です)。1982年、現在のオーナーであるジョン&パティ・ブリッセンデンは、一目見たときに、その素晴らしさが分かりました。それは主として、このリゾートがホープバレーの壮観な場所にあり、周囲の山々の頂を一望できる素晴らしい眺めが楽しめるからでした。彼らはこれを購入し、既存のキャビンをきれいに作り替え、さらに新しいログハウスを建てただけでなく、サンタクルーズにある元のサンタ・ヴィレッジからいくつかのキャビンを運び入れたのです。キャビンは、小さな部屋から複数の寝室があるものまで様々なサイズがあります。すべてのキャビンには無料のスノーシューが備えられており、雪に覆われた周囲の何百エーカーもの原野を探訪できます。リピーター客が多い、とパティは言います。「親は、子供達が無料のココアを飲むためにまた行きたがると言っています」 参考情報:電子機器は家に置いてきてください。ここでは、テレビやラジオの受信はできず、インターネットもアクセスできません。
ウエスト・ショア・カフェ &イン (ホームウッド)
冬。純白の雪がレイクタホの鮮やかなブルーをさらに際立たせるようです。そして、湖の西沿岸に建っている素敵なインは、眺めを楽しむには恰好の場所であるだけでなく、裕福なタホにマイホームをもったような気分にさせてくれる場所でもあります。ここは、家族連れに人気のホームウッド・マウンテン・リゾートのスロープから道を挟んだすぐの所にあります。この家庭的なインからの眺めは、普通、高級な地域でしか楽しめない極上のものです。7つある全ての部屋には暖炉とスレート石材で作られたバスルーム、そして青い湖と周囲の山頂を見渡せる大きな窓があります。ホームウッドの割引券がもらえる他、クロスカントリースキーとアイススケートができる場所も近くにあります。ちょっとお疲れでしょうか? ウエスト・ショア・トディ(ホームメイドのトディ・シロップ、ディッケル・ウィスキー、コーベル・スパークリングワイン)を手にカフェでリラックスするのもおすすめです。
ラスティック・コテージ (キングビーチ)
変貌ぶりをお伝えしましょう。19軒の改装されたキャビンから成るこの施設は、1900年代初頭、ブロックウェイ・ランバー・カンパニーの製材所で働く労働者達の宿舎でした。ところが今や、ここはシンプルながらもきれいに改装された2人用のスタジオ(ジャグジースパ付きのものもある)と、独立した両親の寝室と居間に子供用のソファベッドがある家族用のオプションがあるキャビンになっています。その他、このリゾートには、メインの施設から徒歩でわずかの所に、見事な内装が施された豪華な家が数軒あります。光り輝くレイクタホは、通りを隔てたすぐの所、そしてこの地域のスキーリゾートは、すべてアクセス可能な場所にあります。(ゲストは、運がよければ1月にドナー・スキー・ランチへの無料パスをもらえることがあります。)その他の利点は:「一旦ここに来れば、朝食、ブラウニー、クッキー、ココアなどは全て無料。マグカップを持ち帰ることさえできます」と、リゾート担当マネージャーのキャシー・モスビーは語っています。
ハイランド・ランチリゾート (ラッセン近郊チャイルズメドウ)
ケビン・ウィルセイは、初めから、自分が何を求めているのか知っていました。それは、ラッセン近郊にある知る人ぞ知る素晴らしい谷、チャイルズメドウの美しい自然に囲まれた場所で、忘れがたい体験をすることです。彼の家族は、彼が10代の時からこの地にキャビンを持っていたのです。ラッセン火山国立公園の西口から少し入った所にある、素朴ながらも洗練されたこのリゾートは、彼の願いを確実に叶えてくれます。ケビンの夢のプロジェクトは、2015年夏にオープンしました。ここには、空高くそびえるメイン・ロッジと、マーヴェリック、ナイト・ホークなど趣のある名前が付いた7つのコテージがあります。コテージには基本設備の他、床暖房、ふかふかの羽根布団、暖炉などが揃っていて快適です。チャイルズメドウに隣接する地域ではスノーシュー、クロスカントリースキー(ガイド付きトレッキングもある)を楽しめる他、車で公園の奥まで行き、さらに別のトレイルを歩くこともできます。アクティビティの後は、ロッジにあるアーティサンズ・ビュー・レストラン(宿泊客以外も利用可)で夕食を。ここでは、ショートリブの蒸し煮やバルサミコ漬けのバリケンなど、心のこもった様々な料理を楽しめます。
ハリオット・マンリー