渡航に関する最新情報:カリフォルニアにおける新型コロナウイルスの状況
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ナパバレーには広大な農園、開放的なテイスティングルーム、趣のある街、エレガントなロッジがあるエリアとして知られており、その多くは有名なシルバラード・トレイルに隣接して広がっています。サンフランシスコから車で北に約1時間の位置にあるナパバレーは、400を超えるワイナリーを誇り、当地自慢のカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネ以外にも訪れる人の探究心をくすぐる、ワイン愛好家の楽園です。例えば、新しい世代の赤ワインファンを惹きつける豊かな飲み心地と自然なチェリーの味わいを再発見できるメルローは、はずせません。
ナパバレーは長い間カリフォルニアで最も有名なワイン産地として知られていましたが、1976年にパリで行われた「パリスの審判」と呼ばれるブラインド・テイスティングにおいて、カリストガのシャトー・モンテリーナ産のシャルドネが、フランス産の超一流ワインを含む他の9種類のシャルドネを抑えて1位に選ばれたことで、世界的な脚光を浴びました。当時はフランスが世界でワイン生産の先駆けと言われており、この勝利によってカリフォルニア北部のワインに対する国際的評価が永遠に変わりました。
今日、この地域では1860年代に植樹されたト・カロン・ヴィンヤード、スクリーミング・イーグルやハーラン・エステートといったマニアが飛びつくコンテンポラリーなワインなど、どこでも垂涎の的となるワイン用ブドウを誇っています。ナパバレーの料理も同様の特色を持ち、世界的に有名なレストランが多くあり、ビンテージワインに引けをとらない料理が供されています。
ナパバレーのベストシーズンはいつでしょうか。どの季節にもそれぞれの魅力があります。春には新鮮なブドウの葉が丘陵地帯を鮮やかな緑色に染め、カラシナの花が咲き誇ります。夏はイベントやお祭りが目白押しで、多くの人が集まります。予定表が一杯になることを覚悟してください。秋は収穫と仕込みの季節で、ブドウ園とワイナリーは労働者でにぎわいます。冬には静寂が訪れます。ナパバレーを知る人は、この時期にこそ数多くあるミシュランレストランを予約し、明るく飾り付けられながらも静かな街でクリスマスプレゼントを買い求め、ナパバレー・ワイン・トレインの席を予約し、高級スパでリラックスします。
ナパバレーは、優れたワインと黄金色に輝く丘で最もよく知られているかもしれません。しかし、テイスティングルームが閉まり、太陽が地平線に沈むと、ナパバレーの別の顔が輝き始めます。ライブ音楽、ここでしか飲めないビール、そしてビールと共に楽しめるボーリングなどは、ナパバレーの活気に満ちたナイトシーンの一部に過ぎません。
演劇好きなら、ナパバレーの素晴らしいレストランで早めの夕食を取り、ヨントビルのリンカーンシアターで舞台を楽しみましょう。公演カレンダーでミュージカルやシンフォニー・ナパバレー、バレエ、その他の演目を確認しましょう。1880年に建築されたナパバレー・オペラハウスはナパのダウンタウンで最も古い建造物のひとつです。舞台を観ながら、うっとりするような真鍮製のシャンデリアとステンドグラスの天窓をご覧ください。オペラハウスの1階にはしゃれたクラブ、ブルーノートがあり、その場で醸造されたビールとニューアメリカン料理をライブ音楽に合わせて楽しむことができます。
もっと音楽が聴きたいなら、通りを下ってアップタウンシアターへ。1930年代のアール・デコ調のデザインを背景に、ロックバンドからアイリッシュステップダンサーまで、あらゆる音楽が楽しめます。もっとこじんまりした場所なら、ナパバレー・インの中にある小さな店、サイロズがおすすめです。ナパ中心部にあるダウンタウン・ジョーズの毎週火曜日と木曜日のカラオケナイトでは、あなたが主役です。
素晴らしいカベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネのテイスティングを、日中だけに限るのはもったいないと思いませんか。幸運にも、いくつかのワインバーではそれ以降もワインを楽しむことができます。ダウンタウンのザ・ワイン・シーフでは、地元産の小量生産ワインにスポットライトを当てており、ゆったりとしたラウンジのようなセッティングでいただくことができます。通りを下ればバウンティ・ハンター・ワインバー&スモーキンBBQがあります。豊富なワインリストにざっと目を通したら、袖をまくってセントルイススタイルのスペアリブにかぶりつきましょう。近くにあるカルぺディエム、カデット、コンプライン(マスターソムリエ、マット・スタンプ氏が指揮を執る)などはすべて、バーで軽い軽食や本格的な食事と共にワインをボトルで提供しています。
一日中ワインをたくさん飲んでほろ酔い加減になったら、ナパで最高のダンスフロアの一つがあるナプキンバー+グリルに踊りに行きませんか。メリタージュ・リゾート・アンド・スパのクラッシュ・ラウンジでは、インドア・シャフルボードや6レーンあるボーリング場でいつもと違う技を披露することができます。近くにあるカリストガ:ハイドロバー&グリルでは1980年代の音楽を週末は午後11時半まで 流しており、カリストガイン・レストラン&ブルワリ―は午前1時まで営業しています。DJが最新の音楽を流している間、ゲストは7バレルのガス炊き醸造所から直接届けられたビールを楽しむことができます。
ナパバレーといえば、たいていのワイン愛好家はカベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネを思い浮かべます。実際、ナパバレーは単一のAVA(ワイン指定栽培地域)として認定されています。しかし地域内には16の部分的AVAが存在し、それぞれに固有の微気候と、たいていの場合固有の代表的なブドウがあります。
たとえば、ラザフォード・ワイン・カンパニーやその他多くのワイナリーがある有名なシルバラードトレイル沿いにあるセントヘレナAVAは温暖で、南寄りの他の地域に比べて霧や風が少ないため、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロー、シラー、ジンファンデル、ソーヴィニヨン・ブラン、ヴィオニエなどに最適です。ナパバレーの多様なテロワールを十分に活用しているもう1つの農園に、3つの標高の3つのアぺラシオンにある3つのブドウ園を持つフルーリー・エステート・ワイナリーがあります。
ナパバレーには16の部分的AVAが存在し、それぞれに固有の微気候と、たいていの場合カベルネフラン、メルロー、シラー、ジンファンデルなど固有の代表的なブドウがあります。
ワイナリーの多くはブドウ園の草分けとして古い歴史を持ち、ナパバレーの長年にわたる最高級ブドウへの取り組みを表しています。数あるうちのいくつかをご紹介しましょう。マヤカマス・ヴィニヤードは、休火山のマウントヴィーダー頂上付近にあるクレーターの側に1889年に彫り込まれた石造りの建物です(幸いにもこの歴史的建物は2017年に起きたワインカントリーの山火事を逃れました)。 シネガル・エステートは、かつてはセントヘレナ・ポニーエクスプレスの停留所でした。後に歴史的なイングルウッド・エステートとなり、2015年には新しいオーナーの手で完全にリフォームされました。1900年に設立されたボーリュ―・ヴィニヤードは、1885年の建物を使用しています。カソリック教会に聖餐式用ワインを提供する契約のために多くのナパのブドウ園が休業を強いられた禁酒法時代も何とか栄えることができました。いくつかのワイナリーは自身の歴史的ルーツを持ち込みました。ダリオ・サットゥイが所有するカリストガのカステロ・ディ・アモロサでは、広大な13世紀様式の城にイタリアの影響を受けた赤が映えます。
新しい世代のワイン栽培者が、これまで地域になかった種類のブドウを植えています。 カリストガAVAにあるサマーズ・エステート・ワインズでは、カリフォルニア州全体で40万平方メートルにも満たないブドウ畑で栽培されている珍しいイタリアのブドウ種シャルボノや、ヨーロッパではミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランとして知られるグリーク・マスカット・カネリからワインを醸造しています。アトラスピークAVAにあるダックホーン・ヴィニヤードなどの受賞ワインによって、豊かで果実味を持ったメルローがふたたび注目を浴びています。
ナパバレーを王国に例えれば(実際そうだと主張するワイン愛好家もいそうですが)、ラザフォードの街にあるこの建物は君主政治を行う拠点にふさわしいといえるでしょう。もともとは農地と果樹園だったのを、1800年代後半に船長でありワイン愛好家でもあったフィンランド人のグスタフ・ニーバウムが買い取りました。この地域で最も歴史のあるワインブドウや壮大なシャトーは、現在の所有者である映画監督フランシス・フォード・コッポラとその一族によって完全に再興され、エレガントにたたずんでいます。
コッポラが1975年にこのワイナリーとニーバウムの屋敷を購入した時は、ナパ住人の間で評判になりました。サンフランシスコ・クロニクル紙の記事の中で、コッポラは伝説のワイン帝王、ロバート・モンダヴィが訪ねてきたことを回想しています。彼はこう言ったそうです。「あなたはナパバレーで最高に美しく、最も重要なワイナリー用地を購入したのだということをお分かりですか?」 「あなたはここがどういう場所か、お分かりですか?」
イングルヌックの誇る歴史は、この神聖なワイン地域の創生にまでさかのぼります。数十年をかけてイングルヌック、そしてナパバレーは、ワインブドウの生産に最適な場所として国際的な注目を集めてきました。ニーバウムのブドウは繁栄し、ニーバウムの家族は何十年も素晴らしいブドウとボトルを造り続けました。しかしニーバウムが経済的理由でワイナリーを売却すると、新オーナーはイングルヌックの名を貶めるような安ワインの生産を始めました。
そこにコッポラが妻のエレノアや一族とともに名乗りを上げ、40年をかけてイングルヌックの輝かしい遺産を取り戻したのです。シャトーとシャトーに隣接するワイナリーでのワイン造りの作業を再開し、一流のワイン生産者を雇い、一流のワインを生産しました。
今日では、コッポラのこの成果を贅沢に楽しめる場所がたくさんあります。たとえばヘリテージ・テイスティングでは、ペニーノサロンのシャンデリアのもとでリラックスして、代表的ワインのルビコン・カベルネをはじめとするイングルヌック・エステートのワインを飲み、学ぶことができます。敷地内の美しいビストロの外で食事をしながら目を細めてみれば、まるでパリのリュクサンブール公園にいるような気分になれるでしょう。夏のロブスターフェスティバルや夏の終わりの収穫祭、エレガントなワインディナー、そしてクリスマスのオープンハウスといった特別行事も目白押しです。
木陰を作り出すオークの樹々と世界的に認められたヴィニヤードで飾られたこの2車線の田舎道は、典型的なナババレーの風景と言えるでしょう。周りの土地には多くのワイナリーが点在しており、1週間連続で旅行してもそのすべてを訪れることはできません。ナパとカリストガ間の約50キロを恒久的に結ぶ最初の道路として1852年に建設されたシルバラードトレイルは、並行する州道29号線とは対称的にのんびりした道路です。バレーの東の丘に沿ったトレイルで、風光明媚なドライブを楽しむもよし、レンタサイクルで全行程を走るのもよしです。
シルバラードトレイルにはジョセフ・フェルプス、ZDワインズ、シニョレーロ・ワイナリーをはじめとする名高いワイナリーが立ち並び、さらにさまざななワイナリーから構成される有名なスタッグス・リープ・ディストリクトもあり、ナパバレーではカベルネ・ソーヴィニヨンやその他フルボディの赤ワインの有名なメッカとなっています。(ナパにあるシニョレーロは2017年の山火事による大きな被害を受けた数少ないワイナリーのうちの1軒です。焼失したワイナリーの建物は、難を逃れたブドウ園と樽貯蔵室の横に立て直される予定です。その一方、スタッグス・リープ・ディストリクトの一部分の被害は限定的でした。)スパークリングワインをご所望なら、マムナパの見事なスパークリングワインを優雅なパティオか壮大なグランドサロンで、または精巧なアートギャラリーを愛でながらお楽しみください。
他にも、ルレ・エ・シャトーのオーベルジュ・ドゥ・ソレイユや優雅なソラージュ・カリストガなど、豪華なワインカントリーリゾートがあります。この地域全体で最も目を見張る美しさのリゾートの一つを見るには、緑を楽しみながらの長いドライブでメドウッド・ナパバレーのよく手入れされた敷地に立ち寄り、ザ・グリルでの自家栽培野菜による屋外ランチをいただくのがお薦めです。
もっと贅沢したい気分なら、ミシュラン三つ星のザ・レストラン・アット・メドウッドでのディナーで、申し分のないサービスと産地直送の細やかなメニュー、そしてもちろん極上のナパバレーワインが味わえます。一泊して、リゾートにある最高のスパとゴルフコースを利用するのもよいでしょう。
ワインと同様、ナパバレーのホテルやリゾートも決して期待を裏切ることはありません。ゆったりとした隠れ家的なリトリート、あるいはより活気的な街での滞在を選んだとしても、地域独特のカリフォルニアのおもてなしに心奪われないことはないでしょう。メドウッド・ナパバレーの門番のいるゲートを過ぎると、ここでいかに贅沢な時間を過ごせるかすぐに想像できてしまいます。まず太陽を浴びたプールとテニスコートが目に入り、森林に覆われた丘陵にはアーキテクチュラル・ダイジェスト誌にも掲載された広さ1,300平方メートルのスパが垣間見えます。フロントの係員が無料のワインとクッキーで出迎え、カートでプライベートコテージへと案内してくれます。少しリラックスしたら、クロケットやゴルフをしたり、豪華なスパでゆっくりくつろぎましょう。その後はミシュラン3ッ星のザ・レストラン・アット・メドウッドで最高の夕食をお楽しみください。
これが、贅沢な宿泊施設を数多く提供するナパバレーでのリゾートライフです。例えば、オーベルジュ・ド・ソレイユでは、ルレ・エ・シャトーが求めるワールドクラスのサービスとアメニティをすべて取り揃え、ザ・ソラージュ・カリストガには約1,900平方メートルの地熱スパ(泥トリートメントは外せません)に加え、ミシュランレストランのソルバーには屋外のシェフズ・アトリウムがあります。一方ナパのダウンタウンにはザ・アーチャーホテルがあり、そのルーフトップの賑やかな夕暮れ時とハイエンドのスパはよく知られています。
ナバパレーのリゾートライフではプライベートコテージに泊まり、地熱スパを楽しみ、部屋にデリバリーされるバターたっぷりのブションのパンで朝食をとります。
また、カリストガにあるインディアン・スプリングリゾートは、1861年の古い歴史を誇るラグジェリーな宿泊施設で、地熱の間欠泉によるスパでよく知られています。そこからほど近くのヨーロッパ調の上品なザ・バーグソンには、21もの豪華なスイート付きの部屋があり、それぞれに暖炉、豪華できらびやかな家具、プライベートパティオ、ジャグジー、寝る前のスパークリングワインを楽しめるバルコニーがついています。
こじんまりとしたリトリートであるナパズ・ポエトリー・インは、裕福で有名な常連客を受け入れ、16万ヘクタールもの丘の中腹の隠れ家をまるで自分の家のように感じることができます。5キロメートルほど離れたヨントビルには、バルデッソノがあります。洗練されたホテル&スパであるこのホテルには日本庭園があり、ゲストにデジタルの日常から離れた究極のおもてなしを提供しています。 もう一つ素敵な場所をご紹介しましょう。ザ・ナパ・ヴィンヤード・インは1910年に農家として建てられましたが、今では5つの部屋のあるブティックホテルになっています。ここはレストレーションハードウェアの家具とリネン類を揃えており、2ベッドのプライベートコテージとブドウ園の眺めが特徴です。朝食にはバターたっぷりのブション・ベーカリーが部屋に届けられます。これ以上のおもてなしはないかもしれません。
ナパバレーの見どころはたくさんあるので、曲がりくねった田舎道や急な山道に詳しいと非常に安心です。そこで心からリラックスして(運転手つきで)楽しむために、事情に詳しい現地ガイドと一緒に出かけてはいかがでしょう。プライベートの運転手を何人予約してもよいですし、グループバスツアーに参加することもできます。どちらを選んでも、運転手がワイナリーや他の興味深いポイントに関する知識(たとえばカーネロスにいるのにどうやってナパとソノマにも同時にいることができるのか、など)を教えてくれます。
ナパバレーを探索する素晴らしい方法は他にもあります。自転車や電車、熱気球での旅なら、道中も目的地と同じくらい楽しいものになるでしょう。地域の自転車ガイドは、ツアーに独自の趣向を凝らしています。例えば、ゲッタウェイ・アドベンチャーズが主催するVelo ‘n’ Vino(自転車とワイン)ツアーでは、スペシャライズド・クロストレイルバイクで30〜50キロメートルを走りますが、シャルキュトリと手作りパン、チーズが入った季節のピクニックランチ付きで、道中のワイナリーに何箇所でも立ち寄ってワインを楽しむことができます。また、ナパバレー・バイク・ツアーズでは舗装路でのサイクリングに加え、冒険心のある人には頑丈なマウンテンバイクでのオフロードサイクリングも用意されています。
ナパバレーを自転車で探索し、シャルキュトリとチーズのピクニックランチを楽しむもよし、20世紀初頭のケーブルカーに乗ってワイナリーを訪ねるもよし。
ナパバレー・ワイン・トレインは、プルマン製のクラシック車両で旅する昔ながらの数時間の小旅行です(その時代の衣装で乗るとさらに洒落ています)。ベルベットカーテンの引かれた車窓からワイナリーやブドウ園を眺めつつ、車内で調理されたグルメコース料理に舌鼓を打つのが、ワイン・トレインの素敵な体験のひとつです。3種類あるクアトロ・ヴィーノのツアーからひとつ選んで、ワイナリーにも途中下車しましょう。どのツアーにも車上での4品のコース料理と、死ぬまでに行ってみたいロバート・モンダヴィ、チャールズ・クリュッグ、V.サットゥイなど、ワイナリー3軒でのテイスティングがついています。あるいは、20世紀初頭のサンフランシス・コケーブルカーを改造したナパバレー・ワイン・トロリーはいかがでしょう。ガイド付き、グルメランチ付きツアーで、ワイナリー4軒を訪れます。
あるいは、上空からの景色を眺めてみるのはいかがでしょう。カラフルな熱気球での旅の終わりにヨントビルのドメーヌ・シャンドン・ワイナリーで食べる朝食とミモザ(ナパバレー・バルーンズ提供)やナパバレー・アロフトが提供する着陸後のシャンパンつき朝食で、さらに天に上る気分になれます。
ナパバレーのワイナリーに根付く芸術性は、ワイングラスには収まらず、あちらこちらに溢れています。例えば、ヘスコレクションには重要な国際的作品を展示したバーチャル美術館があります。 オークビルにあるターンブル・ワイン・セラーズには、西海岸で最大級の常設写真展示スペースがあり、アンセル・アダムズによるオリジナル作品などを鑑賞できます。
キホーテ・ワイナリーの建物は、前オーナーがオーストリアの芸術家フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーに依頼して設計させたものです。シルバラードトレイル沿いの目を見張るようなこの宮殿は、金箔の玉ねぎ型ドームやなめらかなラインの建物、広大なモザイクタイルを取り入れており、バルセロナにあるガウディの作品を思い起こさせます。
2年ごとに開催されるナパ・アートウォークプログラムのおかげで、ナパのダウンタウンの通りにも芸術作品が溢れています。街中にある広場では、米国西部のアーティストたちがその想像力と工芸を表現した大規模な作品に圧倒されるでしょう。2年毎に交代して展示される作品群はそれぞれ近距離に設置されています。また、オックスボウ・パブリック・マーケット、ナパバレー・イン、ナパ・ミルなどの観光スポット近くに設置されているので、楽しみながらゆっくり散策でき、ベビーカーや車椅子でもアクセスできるようになっています。過去の展示作品には、鉄と艶出しされたハリエンジュで作られた巨大な突撃してくる雄牛、ブドウの木の茎で編んだ特大サイズのワインボトル、そしてアルミとアクリル樹脂、粉末塗装した鉄でできたオーロラの「光のカーテン」などびっくり仰天するようなものがあります。
1880年築の歴史的なナパバレー・オペラハウスの1階にニューヨークで有名なジャズクラブ、ブルーノートの支店、ブルーノート・ナパが2016年オープンし、ヒップな人たちが集う場に変貌しました。上階ではナパシェイクス(独自解釈したシェイクスピア作品を演じる劇場)やナパバレー映画祭の上映会、個人のアートプログラムなど、さまざまな興行が行われています。
ジャズ、映画上映、シェークスピアの独創的解釈は、ナパバレーの創造性を他の形で表しています。
何世紀にもわたるナパバレー開拓地の豊かな特徴を臨場感いっぱいに味わえる古典的作品も、一見の価値ありです。たとえばヨントビルのナパバレー博物館では、「ナパバレーの土地と人」と銘打った常設展示を鑑賞でき(ワインカントリーには1800年代に重要な中国文化があったことをご存知ですか)、セントヘレナのロバート・ルイス・スティーブンソン博物館には、『宝島』の著者であり、ナパの常連であったスティーヴンソンの世界的な秘蔵物を公開しています。
もう一か所必ず訪れたいのが、カリストガにあるシャープスティーン博物館です。前史から第1次世界対戦後までのナパバレーの歴史を網羅した宝石箱といえるこの博物館では、アカデミー賞を受賞したアニメーター兼プロデューサーで、ウォルト・ディズニー・スタジオのディレクターでもあるベン・シャープスティーンによる精巧なジオラマが歴史を物語ってくれます。
当然、ワインテイスティングが目的でナパへお出かけでしょうが、合間にはぜひこの地域の豊かな自然を探索してみてください。ピクニックやハイキング、そして歴史や豊かな風景をお楽しみください。ぜひ訪れたいナパバレー州立公園と市営公園の概要はこちらです。
海岸沿いのセコイヤの森とナパバレーの温暖な気候を結び付けて考える人はあまりいませんが、ボセ・ナパバレー州立公園は、植物界の巨人と呼ばれる珍しいセコイヤが群生する貴重な場所です。1960年の設立以来の至宝である当公園の敷地は現在800ヘクタールに及び、一年を通してキャンプ、ピクニック、ハイキング、持ち込みの乗馬(自分の馬)が可能です。夏には湧き水のプールで泳ぐこともできます。宿泊する場合はキャンプ場か心地よいユルト(ドーム形のテント)を予約しましょう。時間に余裕ができ、開拓者の墓地、ナパバレーで最初のメソジスト教会の跡地、アメリカ先住民の植物園など、公園の歴史的なポイントを回ることができます。
徒歩圏内にあるべール・グリスト・ミル歴史公園では、製粉業者がかつて使用していた、1946年製造の興味深い発明品である水車で動かすプーリーと粉ひき臼を見ることができます。実は今でも現役で、これで作るオーガニックの小麦粉、トウモロコシ粉、ポレンタなどが隣接のお店で購入できます(年中週末のみ営業)。
市営のアルストン・パークも穴場で、ナパ北西部の奥地にある64ヘクタールの丘陵地帯にまたがっています。曲がりくねった小川に沿って野花が咲き乱れるトレイルを乗馬、マウンテンバイク、ハイキング、犬の散歩(リードが必要)などで5キロほど行くと、ドッグランとして人気の、ケーナインコモンズと呼ばれる場所に到着します。
景色を愛でながらの散策にはもう一つ、ナパバレー・ヴァイン・トレイルがあります。こちらは完成した暁にはヴァレホ・フェリーターミナルからカリストガまでの約76キロをつなぐ予定です。すでにどこまでつながっているかは地図でご確認ください。絵に描いたようなこのコースは主にハイウェイ29号線に平行しており、ハイウェイ37号線に沿ってヴァレホに入ります。
ナパのダウンタウンには広々と緑豊かなフラー・パークがあり、いくつもの遊び場、BBQグリル、ピクニックテーブルや公共トイレがあります。
注記:ナパの市内の川沿いに広がるケネディ・パークは2019年から2020年にかけて閉鎖中です。
ナバパレーで最高の毎年恒例イベントに参加すれば、ワインや食事を楽しむだけではなく、ちょっとしたVIP気分でナパバレーを体験できます。いろいろな味が楽しめる3月のテイクフレーバー・ナパバレーでは、有名人シェフによる料理のデモやワイン生産者による「ライジングスター」ディナー、大規模なガラテイスティング、そして地域最高のブティックワイナリーの舞台裏を巡る「テロワールからテーブルへ」ツアーが楽しめます。
春先にはヨントビル・ライブが開催されます。ガラディナーで、地元の数多いワイン業者の最高級ワインとミシュランシェフによる料理が振る舞われるほか、シェフのデモ、ライブミュージック、テイストオブヨントビルというお祭りも楽しめます。4月になると、スタッグスリープディストリクトによる「ヴィンヤード・トゥ・ヴィントナー」のお祝いが開かれ、普段は一般にオープンしていないワイナリーでの特別ツアーやテイスティング、ライブミュージックでワイン愛好家を唸らせます。
ボトルロックナパバレーのような料理の出ない集まりにも、魅力がいっぱい。毎年5月にはナパのダウンタウンでナパバレーエクスポが開催されます。10万人を超えるミュージックファンが3日間にわたって集い、有名ミュージシャンやワイン村、フードステージなどを満喫します。フードステージではスヌープドッグのような道化師役のミュージシャンが「料理の鉄人」森本正治と一緒に巻きずしを作っているのを見ることができます。
もう1つ見逃せないのが、まれに見るイベント、「芸術の4月」。ナババレーのアートシーンをまる一月かけて全面に押し出します。スタジオ、サロン、ギャラリーや一般家庭が開く芸術作品、即席展覧会、ライブパフォーマンス、ガラス工芸ワークショップなどを見学できます。
秋には、収穫時ならではのお祭りが開かれます。ここではブドウの選別、除梗、破砕、醗酵が賑やかに行われるのを見学できます。ラザフォードのスタグリンファミリーワイナリーやナパのパラダックスのように、醗酵前あるいは後にパーティを開き、ワインテイスティングや食事、ライブミュージックを提供するワイナリーもあります。V.サットゥイは収穫の踊りと破砕パーティを毎年行い、シャンパンメーカーのシュラムスバーグは週末の秋の収穫祭に本気を出します。さらにどっぷりワイン漬けになりたいなら、ガーギッチ・ヒルズ・エステートとシュヴァイガー・ヴィンヤードでは、昔ながらのブドウ踏みイベントを行っています。ズボンの裾をまくりあげて、参加してみましょう。
ナパリバー沿いにあるこの賑やかな ナパの町では、魅力的な再開発が進められています。比較的最近まで、ここは小さなショッピングセンターのある活気のない住宅街でした。しかし有名人シェフのレストランや高級な宿泊施設、手入れの行き届いた公園や川沿いの遊歩道、そしてたくさんのテイスティングルームが次々にオープンして、ラグジェリーな観光地として知られるようになりました。
代表に挙げられるのは オックスボウ・パブリック・マーケット。活気に満ちたこのフードエリアではホグアイランドの生牡蠣やファッティッドカーフの職人芸による肉料理、またはアネッツチョコレーツのトリュフやキャラメルに舌鼓を打つことができます。ワインテイスティングの後でおいしいピザを食べたくなったら、マーケットにあるカモミで薪で焼き上げたオーガニックピザをどうぞ。VPN (真のナポリピザ)とAPN (ナポリピザ職人協会)公認のお店です。レストランではそのライブ会場で定期的にバンド演奏を催し、ナパのナイトライフを大いに盛り上げています。
食の楽しみは他にもあります。近くのモリモト・ナパでお寿司をつまみ、ケン・フランクがシェフを務めるミシュランレストラン、ラ・トークで優雅なセレクションを楽しみ、ナパ・リバーフロントのセラドンでは、地元の食材を使ったワインカントリーで最も豪華な料理に巡りあえます。食事の後はニューヨークで有名なブルーノートの支店でショーを堪能するのはいかがでしょう。地元の文化の中心・社交場であるナパバレー・オペラハウス内にあります。
地域で最も優れた新しい開発の一つにより、多くの喜びが一つになりました。セントクレアブラウンは、420平方メートルのオーガニックガーデンに囲まれたブティックワイナリー・レストランです。ナパバレーワイントレインの線路が見渡せ、通過する列車からは乗客が手を振ってくれたりもします。
宿泊も選択肢は豊富です。都会風でシックなアンダズナパホテル、そして1889年建築のセコイヤの古木を使った室内装飾やクリスタルのシャンデリアが見事な、チャーチル・マナーB&Bマンションはこれ以上ないほどロマンチックです。歴史あるナパバレーインでの宿泊には、階下のホテル内ベーカリースィーティパイでの豪華な朝食が含まれます。ファミリーで経営してるシーダーゲーブルズインでは常に料理教室を開いており、宿泊客は料理を手伝ったディナーを、ぴったり合う地元産のワインと一緒にみんなで楽しみます。
「ナパバレーのメインストリート」というニックネームを持つ、ワインカントリーのおしゃれなセントヘレナのダウンタウンには、歴史ある建物が立ち並び、その中にはかわいらしいショップやカフェ、ギャラリーなどが入っています。約800メートルほどの中心区域は、グルメショップやブティック、キャンディショップなどを歩いて見て回るのにぴったりです。(ちなみに、ウッドハウスチョコレートの、薄く伸ばした小さなチョコレート上にナッツやドライフルーツを散りばめたマンディアンがおすすめです。)
セントヘレナのダウンタウンは、ワイナリー天国。例えば、ここには1933年に禁酒法が解禁されてからナパバレーで初めて開店された象徴的なメリーベール・ヴィンヤーズがあります。クリフ・ファミリー・ワイナリー(そう、エナジーバー会社と同じオーナーです)では、少量生産ワインのテイスティングや、ワインとのフードのペアリングを提供しているほか、クリフ・ファミリー・ブルスケッテリア・フードトラックの軽食という選択肢もあります。他にも、ホール・ワインズでは時代の先端を行く芸術品、彫刻、そしてガラス張りの「グリーンハウス」テイスティングルームがあります。(入り口にあるマスコット、10メートルもあるステンレス製のウサギ、バニーフーフーへのご挨拶をお忘れなく。)
こじんまりとしたダウンタウンには、名高いハーベストテーブルのコンテンポラリーなレストランが入ったハーベスト・インもあります。街の北端にある、目を見張るレストラン・アット・メドウッドで豪華なミシュランの三ツ星ディナーを堪能したり、小さいながらも名門のナパバレー・クッキングスクールのスケジュールを確認して、学生によって経営されているレストランで新進シェフによる料理をいただきましょう。
食事とワインテイスティングの間の一休みに丁度良いのが、図書館の隣にあるロバート・ルイス・スティーブンソン博物館。後に『宝島』の作者となるスティーブンソンは、1880年にハネムーンでナパバレーを訪れていました。そして当時はマウント・セントヘレナの人里離れたゴーストタウンだったシルバラードで放置された小屋を見つけたのです。一銭も持っていなかった彼は、そこで新妻と何週間も暮らしました。1883年にスティーブンソンは、その時の思い出を記した『ザ・シルバラード・スクワッターズ』を出版しました。この博物館では、彼の遺品が数々展示されています。またロバート・ルイス・スティーブンソン州立公園では、8キロメートルほどのマウント・セントヘレナの頂上までの起伏の多いトレイルをいい汗をかきながら歩くと、サンフランシスコのベイエリアを望む見晴らしの良いポイントにたどり着きます。
ナパバレーの北端、セントヘレナさんの麓に位置するカリストガは観光客が少ない穴場で、にぎやかなナパのダウンタウンの隣町ながらゆったりとした街です。ナパバレーをワインで世界に広めたのは実はカリストガの街であったというのは、ある意味皮肉ですね。1976年、この街のシャトー・モンテリーナの1973年産シャルドネが、伝統的なテイスティングとして知られるパリの品評会で最高のフランスワインを打ち負かしました。
現在でもカリストガのワイン情勢は地元で注目を集めています。その中心はカストロ・ディ・アモローサで、中世のスタイルで複数の塔が特徴的なお城は、イタリアスタイルのワインメーカー、ダリオ・サットゥイが丘の上に建物たものです。1万1千平方メートルを超えるお城(本物の素材を使って15年かけて作られました)のツアーは、5つの塔、中庭、ロッジア、トスカーニの田舎風の家、フレスコ画のある大ホール、厩舎、牢屋、さらに拷問部屋などを巡ることができ、素晴らしい時間を過ごせます。(ここのワインがお気に召さなければ。) 締めくくりは、45分間のバレルテイスティング。現在販売中のワインが飲めます。
この地の秘密の万能薬はワインだけではありません。カリストガはナパバレーのスパと温泉の中心地で、1800年代よりミネラル豊富な火山水による活力回復を求める人々をこの地に集めてきました。スパとリゾートはカジュアル(水着の着用は選択自由)なものから高級な施設までさまざまで、そのほとんどが温泉への入浴、サウナ、マッサージを提供しています。インディアン・スプリング・カリストガ、ソラージュ、そしてカリストガ・ランチはこの街の高級な 宿泊施設ですべて最高級のスパも併設しています。Visit Napa Valleyをご覧いただくとさらに多くの施設をご覧いただけます。
最もカリストガらしい経験、マッドバスを経験せずしてカリストガを訪れたとは言えません。ドクター・ウィルキンソンズ・ホットスプリング・リゾートの「ザ・ワークス」を予約しましょう。伝統的なマッドバスに、フェイシャルマスク、アロマミネラルのジェットバス、スチームルーム、ブランケットラップ、そしてマッサージの施術を堪能できます。
またカリストガは、ナパバレーのもう1つの外せない体験、熱気球に乗れる絶好の場所として知られています。朝の霧に漂いながら、静かな峡谷を見渡し、周囲の丘の上から太陽が顔をのぞかせるひと時。これ以上の体験を想像できるでしょうか。現実に戻るときにはシャンパンで締めくくるのが伝統です。