渡航に関する最新情報:カリフォルニアにおける新型コロナウイルスの状況
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ジャイアントセコイア、高くそびえる山並み、深い渓谷、水音を轟かせる川で知られるこの2つの公園はおよそ120キロメートル北にあるヨセミテほど知られていませんが、実は見どころがたくさんあります。セコイア/キングスキャニオンの域内にはアメリカ本土最高峰の4,417メートルのホイットニー山と、北米有数の深さを誇る渓谷、キングスリバー渓谷があります。2つの公園と、隣接するジャイアントセコイア国定公園および国有林の最大の魅力は、巨大なセコイア。世界最大の生物として知られるシャーマン将軍の木とその周りの巨木の森を、その圧倒的な大きさに感動しながら歩き回りましょう。
「なんて大きい木なんだろう!」何通りの言い方で、この感動を表せますか? しかし、世界最大の現存する木である、この巨木の中の巨木を見たときの感動を的確に表す言葉は、なかなか見つからないでしょう。その他にも高くて、太い木はたくさんありますが、この巨木の重量感と太さに勝るものはありません。シエラの青い空を背景にそびえる直径31メートル、高さ84メートルのシャーマン将軍の木は、今も成長を続けており、毎年、高さ18メートルの木に相当する分量の木質が増加しています。まだ大きさを実感できない方も、シャーマン将軍の大きな枝は直径ほぼ2メートルで、ミシシッピ川東岸に生えるほとんどの木よりも大きい、という事実を知れば、お分かりいただけるでしょう。このジャイアントセコイアのサイズからすると、世界最古の木のように思えますが、そうではありません。確かに樹齢およそ2,200年(正確な年数は誰にも分かりませんが)のシャーマン将軍の木は相当な長寿ですが、ジャイアントセコイアは東部のホワイトマウンテンに太古の昔から生えているブリスルコーンパインに次いで、世界で2番目に樹齢の長い木です。
"シエラの青い空を背景にそびえる直径31メートル、高さ84メートルのシャーマン将軍の木は、今も成長を続けています"
当然のことながらシャーマン将軍の木を見に多くの人が訪れるので、夏にはこの木を見下ろせるスポットと下から見上げられるスポットの2か所を結ぶ無料のシャトルバスが運行されています。多くの観光客が上の停車地点で降り、下の地点まで一方通行の下り坂を、シャーマン将軍の木を見ながら徒歩で下ります。短時間訪れるだけならこれでも十分ですが、この公園では、まだたくさんのアクティビティを楽しめます。セコイアの壮観さをもっと存分に満喫するには、隣接した3キロメートルのループ、コングレストレイルをハイキングしましょう。直径がリビングルームの大きさほどのセコイアが数10本も並ぶ中を散策できます。ループ状のトレイルの終点に近い場所にある代議院の森と元老院の森は特に印象的ですが、もう1つ異彩を放っているのはワシントン・ツリーです。この木は長い間、世界で2番目に大きな木だと見なされてきました。かつてはシャーマン将軍の木との差はわずか6メートルだったのですが、1990年代後半、落雷により梢が焼けたことで、上位30本の巨木リスト圏外になってしまいました。
この公園を訪れる人の多くが最初に見る景色は、この象徴的な森でしょう。フレズノからハイウェイ180号線で来た場合、公園の北西入口からわずか数キロメートルほどのグラントグローブの大きなビジターセンターに着きます。ここにはキャビン、ロッジ、レストラン、ギフトショップ/雑貨店、郵便局、いくつかのキャンプ場があります。キングスキャニオン・ビジターセンターでは地図やガイドブックなど公園で過ごすのに必要な物のほぼすべてが手に入るほか、親切なパークレンジャーと話もできます。迷路のような渓谷と、鋸のようなシエラの山々を見晴らせるパノラミックポイント(特に日の出の景色は圧巻です)への短いコースなど、グラントグローブの周りにはいくつかのハイキングトレイルがあります。
人で混み合うトレイルは、グラント将軍の木の付近です。この木はカルビン・クーリッジ大統領が「アメリカのクリスマスツリー」と名づけたことでも知られます。公園では1926年より毎年、この木の根元でクリスマスイベントが開かれています。この巨木は周囲が33メートルに達するので、たくさんの人が集まっても、まだスペースに余裕があります。数字を見ても今ひとつピンと来ない人は、この情景を想像してみてください。もしグラント将軍の木が高速道路の真ん中に植えられたら、3レーンを塞ぐそうです。この木を囲む5キロメートルの舗装されたループや、中が空洞の倒木、フォールンモナークなどの付近にある巨木を訪れてみましょう。フォールンモナークはその巨大さゆえに、かつて米国騎馬隊の馬の厩舎として使われていました。
著名な自然愛好家のジョン・ミューアによって1875年に名づけられたジャイアントフォレストは、セコイア公園とキングスキャニオン公園で最も感動的なジャイアントセコイアの森。8,000本のジャイアントセコイアの中でも出色なのは、重量において地球最大の生物であるシャーマン将軍の木で、他にも名前はそれほど知られていなくても素晴らしい木がたくさん並んでいます。
大聖堂のような荘厳さを心ゆくまで味わうには、木の間を歩き回るのがおすすめです。しかしまず、ジャイアントフォレスト博物館で知識を得ましょう。この博物館はヨセミテバレーのマジェスティック・ヨセミテ(旧アワニーホテル)と同じ建築家がデザインしたものです。ここを起点に、ビッグツリートレイルやシャーマン将軍の木トレイルなど、歩きやすいトレイル(車椅子も利用可能です)を散策できます。モロ・ロックや、牧場主のヘイル・サープの夏の住まいだったサープス・ログがある美しいクレセントメドウへの行き方を尋ねてみましょう。ジャイアントフォレストに入植した最初の白人と考えられているサープは、幾年にもわたり空洞になったセコイアの倒木をくりぬいて作った小屋で夏を過ごしました。クレセントメドウへ行く途中には写真撮影スポットとして人気の高い、車が通れるようにくり抜いた倒木のトンネルログがあります。
クリスタルケイブの蜘蛛の巣のような門を開けると、セコイア国立公園の地下、輝く鉱物に囲まれた世界への秘密の入口が待っています。ここは、セコイア・キングスキャニオン国立公園内にある200以上の大理石の洞窟のうちの1つ。この公園にはカリフォルニアの半数の洞窟が集まっており、その全長は1.6キロメートルに及びます。また州内最長の洞窟もあります。ほとんどの洞窟は立ち入りが調査目的のみに制限されているか、経験や装備が必要です。しかし、クリスタルケイブは5月半ばから11月までガイド付きのウォーキングツアーのために解放されています。(注意:ベビーカーや車椅子は利用できません。)
1918年に最初に発見されたクリスタルケイブは、毎年何千人もが訪れる人気のある洞窟で、地下道は舗装されており太陽光発電の通路灯も整備されています。50分間のツアーは、少し洞窟に興味がある人や小さなお子様連れのご家族には最適ですが、冒険の要素はあまりありません。もっと心躍る体験がしたい方は、夏の夜に行われる「エクスプローラーズ・ランタン・ツアー」に参加しましょう。灯りが消された中を、キャンドルランタンの光を持って進みます。最もスリリングなのは土曜日のみ開催の「アドベンチャー・ツアー」。這うようにして前進する4~6時間のトレッキングです。ヘッドランプ、膝当て、肘当てが提供され、またトレイルから外れた道を前かがみになり、這いつくばり、よじ登って進むため、参加者には汚れても構わない服装で来ることが求められます。「自分の顔の前にある手が見えない」という真の暗闇の怖さを体験できるのは、このような洞窟の中だけでしょう。
洞窟は、ジェネラルズハイウェイをジャイアントフォレスト付近で降り、蛇行した道を11キロメートルほど進んだ先にあります。すべてのツアーには、事前の計画が必要です。ロッジポールまたはフットヒルズのビジターセンターでチケットをご購入ください(洞窟ではチケットを販売していません)。どちらのビジターセンターからも洞窟へのドライブはおよそ1時間かかり、さらに洞窟入口まで急な坂道を0.8キロメートル歩く時間が必要です。必ずジャケットを持参してください。外の気温に関係なく、クリスタルケイブの内部の気温は10˚Cほどしかありません。
抗いがたい魅力に満ちたローズ・エンド。心惹かれる愛称がついたこの場所は、ハイウェイ180号、別名キングスキャニオン・シーニックバイウェイ(通常晩春から10月まで通行可能)の東端にあります。曲がりくねった舗装道路がシーダーグローブ・ビレッジの10キロメートル先で終点を迎えた地点から、原野が始まります。キングスキャニオンの奥深くへ進むには、徒歩で行く必要があります。
"ジャンクションビューや他のハイウェイの展望スポットから、キングスキャニオンを見晴らせます。キングスキャニオンは北米で最も深い渓谷のうちの1つで、深さは499メートルに達します。"
ローズ・エンドまでのドライブは楽しみのうちの半分です。キングスキャニオン・シーニックバイウェイは、グラントグローブから流れの激しいキングス川の川岸に沿って、ジグザグに48キロメートル東へ延びています。キングス川は特に、雪解け水が流れ込む晩春に水かさを増します。ジャンクションビューや他のハイウェイの展望スポットから、キングスキャニオンを見晴らせます。キングスキャニオンは北米で最も深い渓谷のうちの1つで、深さは499メートルに達します。ボイデン洞穴(45分間のガイド付きウォーキングツアーがあります)や、春と夏には、落差23メートルのグリズリー滝に立ち寄ってみましょう。
シーダーグローブ・ビレッジは静かな場所で、いくつかのキャンプ場、小さなロッジ、レンジャーの駐在所、かわいらしいカフェ(5月下旬から10月上旬の営業)があるだけですが、ハイキングトレイルは豊富です。中でも、ローズ・エンドにほど近い2.4キロメートルのループ状のトレイルがおすすめです。緑濃いズムワルトメドウに向かって進むこのトレイルは、氷河が削り出した花崗岩の崖に囲まれています。
新雪の季節に一段と荘厳さを増すジャイアントセコイア。そのシナモン色の幹と深い緑色の針葉が白い雪で飾られる様は圧巻です。冬の旅には事前の計画と暖かい服装が必要ですが、山岳地帯での忘れられない体験を楽しめます。
"新雪の季節に一段と荘厳さを増すジャイアントセコイア。そのシナモン色の幹と深い緑色の針葉が白い雪で飾られる様は圧巻です。"
グラントグローブ、ウクサチロッジ、モンテシート・セコイア・リゾートでは12月から4月まで、クロスカントリースキーやスノーシュー、その他のスノースポーツ用具をレンタル、または購入することができます。クロスカントリースキーとスノーシューを思う存分楽しみたい方は、素朴なペアレイク・スキーハットで2段ベッドでの宿泊を予約して、トレイルの起点のウォルバートンから10キロメートルにわたって延びる挑戦しがいのあるトレイルにチャレンジしてみましょう(冬季のバックカントリー経験があることが推奨されます)。もっと手軽に楽しむには、レンジャーがガイドするスノーシュートレッキング(冬季のほとんどの週末に開催)に参加しましょう。セルフガイドで行くこともできます。最も人気のあるトレイルは、3キロメートルのループ状のコングレストレイルで、シャーマン将軍の木を見に寄り道できます。装備が必要なスノースポーツをされない方は、ビッグスタンプやウォルバートン・スノープレイ・エリアまでドライブして、子供たちと一緒に雪だるまを作るのはいかがでしょうか。
キングスキャニオン・シーニックバイウェイを除くほとんどの道路は雪かきがされており冬季も通行可能ですが、常にタイヤチェーンを携行している必要があります。
素朴なログキャビン、優雅なグランピング、モーテル、心地よいコテージ。この公園には豊富な宿泊オプションがあります。公園の北西入口のグラントグローブには、最も多くのオプションが1か所に集中しています。歴史あるログキャビンは、1920年代に逆戻りしたかのよう。また値ごろなテントキャビンや、魅力的な居間の石造りの暖炉のそばでくつろげる、客室数34室の快適なジョン・ミューア・ロッジ、さらに3か所のキャンプ場(サンセット、クリスタル・スプリングス、アザリア)もあります。
キングスキャニオン・シーニックバイウェイをシーダーグローブへ向かって進むと、パティオやバルコニーからキングス川を見晴らせる、客室数21室のシーダーグローブ・ロッジがあります(5月から10月中旬までの季節限定営業です)。または川沿いの4か所のキャンプ場、シープクリーク、センティネル、キャニオンビュー、モレーンから選んで、テントに泊まるのはいかがでしょう。
セコイア国立公園のロッジポール/ジャイアントフォレスト・エリアでは、建物3棟に合計102室の客室を備えたウクサチロッジに泊まれます。別棟には、高い天井と森を見渡せる大きな窓を備えた、カジュアルで上品な90席のレストランがあります。また近くのジャイアントセコイア国定公園には、モンテシート・セコイア・リゾートとストーニークリーク・ロッジの2か所のロッジがあります。モンテシート・セコイアはハイシエラ版のクラブメッドと言うべきオールインクルーシブの施設で、お子様向けのアクティビティに力を入れています。プライベートキャビン(一部は専用バス付き)またはモーテルスタイルの客室に泊まれます。ストーニークリーク・ロッジはもっと小規模で、客室数は11室のみです。キャンプをする方は、家族連れに人気の ロッジポールとドーストクリークの2か所のキャンプ場から選べます。
豪華なキャンプをご希望なら、ジャイアントセコイア国定公園にあるセコイア・ハイシエラ・キャンプを予約しましょう。綺麗にしつらえられたテントキャビンは寝心地のよいベッド、カラフルなラグ、モダンな家具を備えています。レストランは1日3食を提供しており、トレイルのハイキング用のランチボックスもあります。朝日と夕日に輝く山の景色は、無料です。
少なくとも一度は体験したいアクティビティ、それは、モロ・ロックに登ること。多くの「一生に一度の」と謳われる体験とは違い、ここは掛け値なしにその価値があります。森林地帯の端から突き出た、高さ2,050メートルの花崗岩でできた迫力あるドーム状の断崖には、踊り場のある階段をいくつも登ってたどり着くことができます。距離はそんなに長くありません。頂上までわずか91メートルですが、400段の階段を含むため、ハイキングに慣れた方でも息切れするでしょう。息を整えながら、遥か下のカウィーリバー渓谷や、スリーリバーズへ向かってジグザグに南下するジェネラルズハイウェイの眺めを堪能しましょう。
"少なくとも一度は体験したいアクティビティ、それは、モロ・ロックに登ること。"
モロ・ロックの平らな頂上に着いた後は、グレート・ウェスタン・ディバイドの景色を満喫できます。標高4,000メートルを超える圏谷や氷河に削られた峰が織りなす鋸状のスカイラインには、ただ圧倒されるばかり。景色をよく見るには、夏の早朝、および秋と春の涼しい日に登りましょう。
この自然公園の魅力の一つは、人里離れている点にあります。しかし、必ずしも長時間のドライブは必要ありません。メモリアルデーからレイバーデーまで毎日、公共シャトルが運行されています(危険な道路状況により運行スケジュールが変わることがありますので、事前にご確認ください)。手頃な料金のセコイアシャトルは56キロメートル西のバイセリアから乗れます。公園までの所要時間は45分で、スリーリバーズの村落を抜けてジャイアントフォレスト博物館へ到着します。そこからはシャーマン将軍の木やモロ・ロックなどの主要な見どころに停車する、公園の無料シャトルに乗れます。園内シャトルは大体セコイアシャトルの到着時刻に合わせて運行していますが、冬のクリスマスシーズンには増便します。
もっと遠くから公共交通機関を利用したい場合は、アムトラックが便利です。ハンフォードのセントラルバレーに鉄道駅があり、そこからアムトラックのバスで56キロメートル東のバイセリアまで行くことができます。バイセリアからは公園までセコイアシャトルに乗れます。