Spotlight: デスバレー国立公園
Laura Flippen

Southern California

Spotlight: デスバレー国立公園

23
April
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全米最大の国立公園のデスバレーは、岩手県とほぼ同じ広さです。134万ヘクタールの土地に、山のような巨大な砂丘、海面より低い塩原、神秘的な歌う岩、色彩豊かな砂岩峡谷が広がっています。ここでは極端であることが普通のこと。デスバレーはアメリカで最も気温が高く乾燥した場所で、夏の気温は49˚C以上に達し、年間平均降水量は5センチメートルです。標高も極端です。公園の最低地点であるバッドウォーター盆地が海抜マイナス86メートルにある一方で、テレスコープ山は3,368メートルの高さにそびえ立っています。高さ、そして極端な低さ。暑さ、そして素晴らしい砂漠の景色のクールな魅力。デスバレーは壮大なスケールです。

 

ファーナスクリークイン
Ken Lund/ Flickr

ファーナスクリークイン

ファーナスクリークイン
ヤシの木のオアシスにある豪華な1920年代のホテル

歴史あるファーナスクリークインは、遠い場所に建てられました。パシフィックコーストボラックスカンパニーが、ホウ砂事業が不振になった後、同社のデスバレー鉄道を救済する対策として、ホテルの建設資金を供給したのです。この砂漠地帯で車が一般的になる前の時代、多くのハリウッドスターは列車に乗ってこの砂漠のリゾートにやって来ました。鉄道は、時代が変化する中、生き残ることができませんでしたが、この美しいホテルは1927年以来、優雅に年を重ねてきました。ホテルの設計はロサンゼルスの建築家によるもので、カリフォルニアにあるスペインの伝道所から着想を得ています。客室数は66室で丘の上に西向きに立ち、石のパティオからはデスバレーとパナミント山脈の景色が見えます。赤いタイルの屋根と化粧しっくいの壁は午後の太陽に輝き、ヤシの木は揺れ、噴水のしぶきが音を立てます。わき水のプールの周りでは、屋外暖炉の炎が揺らめいて光ります。これ以上特別な贅沢はありません。日帰りの予定でデスバレー国立公園に来るなら、のんびりしたホテルのダイニングルームでランチかアフタヌーンティーをとりながらくつろぎましょう。

デスバレーは極端な高温になるため、このホテルが完全に営業するのは10月中旬から5月中旬までのみとなっています。それ以外の時期にファーナスクリークに滞在する場合は、すぐそばにある低料金のファーナスクリークランチもあります。

ゴールデンキャニオン&ザブリスキーポイント
John Buie/ Flickr

ゴールデンキャニオン&ザブリスキーポイント

ゴールデンキャニオン&ザブリスキーポイント
2か所ある見晴らしのよい場所から壮大なバッドランドを眺める

日の出と日没時には、ゴールデンキャニオンの褶曲し浸食した層が太陽に映え、オレンジ色から、アンズ色、スクールバスのような黄色まで、考えられる限りのあらゆる色合いの黄金色が崖のひだに現れます。眺めのよいスポットは2つ ザブリスキーポイントは車で行って高台から景色を見渡すことができ、ゴールデンキャニオンは徒歩で行って鮮やかな美しさを近くで見ることができます。気軽な観光なら、90メートルの舗装されたトレイルから豊かな色合いのバッドランドの見事な景色が見渡せる、ザブリスキーポイント(ハイウェイ190号線付近)がおすすめです。

"公園で最も写真が撮影されるスポットのひとつで、日没時には多くの人でにぎわいます。"

ゴールデンキャニオンに行く道は反対側から始まります。ビジターセンターから5.6キロメートル南東のバッドウォーターロードから入ります。往復約3キロメートルの穏やかな道ですが、さらに足を延ばして9キロメートルのループを歩くこともできます。トレイルは駐車場から穏やかな上り坂となって峡谷の軟らかい壁を抜けていきます。黄色、ベージュ、クリームと色とりどりのしま模様になっているのは、含まれている鉱物が異なるためです。少しだけ足を延ばしてレッドカシードラルにぜひ行ってみてください。鉄分を多く含む岩が風化して赤くなった崖がそびえ立っています。

スコッティズキャッスル
Scotty's Castle

スコッティズキャッスル

スコッティズキャッスル
思いも寄らない場所に豪華な城

砂漠の蜃気楼のように現れるこのスペイン風の城は、デスバレーで最も風変わりで最も伝説的な見どころの一つです。1920年代にシカゴの保険会社重役アルバート・ジョンソンによって建てられたスコッティズキャッスルは、ジョンソンと妻ベッシーの別荘でしたが、主に住んでいたのはウォルター・スコットでした。スコットは金探鉱者でカウボーイでもあり、バッファロー・ビルの「ワイルドウェスト」ショーの公演に参加した人物です。ジョンソンはスコットの金鉱採掘計画に投資し、二人は友人となりました。スコットは、この200万ドルの城が自分の金鉱採掘の利益で建てられたと吹聴して回りました。

城は完成に至りませんでしたが、手作りの鉄とタイル、特別注文の家具、豪華なアンティークやタペストリーであふれています。城の見どころはチャイムズタワーで、タワー内の25個のカリヨン(組み鐘)が15分ごとに演奏されるようになっていました。また、音楽室にはパイプ数1,121本の劇場オルガンも設置してあり、そのメロディーは、ベティ・グレイブル、ウィル・ロジャース、ノーマン・ロックウェルなど、大物の来客を楽しませました。レンジャーが案内する1時間のツアーで、城内を見学しましょう(地下トンネルツアーは11月から4月中旬まで。夏季は頻度が少なくなります)。当日ツアーチケットは、スコッティズキャッスルビジターセンターで販売しています。前日までに877-444-6777に電話で予約が可能。

モザイクキャニオン
Greg Willis/Flickr

モザイクキャニオン

モザイクキャニオン
磨かれた大理石の壁が空にそびえる

モザイクキャニオンは、デスバレーの景勝地の一つで、幅の狭い大理石の峡谷は年齢を問わず誰でも楽しめます。トレイルは谷壁が高くて幅の狭い峡谷を曲がりくねって進み、色とりどりの滑らかな岩や磨かれた大理石が多数見られます。谷壁は、長い年月の間に無数の鉄砲水でつやが出るまで磨かれ、家庭のバスルームのタイル用に欲しくなるような美しい大理石へと変化しました。谷壁には、色とりどりの岩片をセメントで固めたように見えるモザイク角礫岩が埋め込まれているのがよく分かります。歩いていくと、滑らかな壁の幅が狭くなったり広くなったりし、最終的には枯れ滝まで続いています。

バッドウォーター&アーティストドライブ
Keith Skelton/Flickr

バッドウォーター&アーティストドライブ

バッドウォーター&アーティストドライブ
デスバレーの絶景撮影スポット2か所を訪れる

デスバレーを訪れるならバッドウォーターは絶対はずせません。バッドウォーターは、高度測定器で海抜マイナス86メートルを示す北米の最低地点にあります。1800年代により良い生活を求めてこの砂漠を渡ろうとし、飲み水を必要としていた移住者は、広大な塩原と塩水だまりに出会い大変がっかりしました。塩水だまりは激しい嵐の後では大きな池となりますが、何十万年も前には水深183メートル以上の湖でした。湖は干上がってしまい、このような塩水だまりのみが残っています。今では、荒い塩の結晶が幻想的に広がるだけです。

バッドウォーターのすぐそばには、アーティストドライブへの分岐点があります。アーティストドライブは、景色のよい14.5キロメートルの道路で、アマルゴサ山脈の堆積丘陵の豊かな色彩が楽しめます。可能であれば夕方近くに行くと、ピンク、藤色、黄金色、緑、ラベンダー色と、多数の色を乗せた「アーティスト」のパレットが、最も鮮やかに見えます。

ユービーヒービー・クレーター
Chao Yen/Flickr

ユービーヒービー・クレーター

ユービーヒービー・クレーター
比較的最近噴火した火山の火口縁を歩く

約300年前、溶岩が地下水と接触し、地下で水蒸気の圧力が高まり、爆発して巨大な噴火が起こりました。火山灰が落ち着くと、そこには幅800m、深さ183mのクレーターができていました。地面に開いた穴は色彩豊かで、グレープバインからわずか8キロメートルの公園道路から、しま模様の噴出物層がよく見えます。もっと近寄って見るには、巨大なユービーヒービー・クレーターの南西の縁に沿ってトレイルを歩き、リトルヒービーなど、さらに昔にさかのぼるいくつかのクレーターへ行きます。このはるかに小さなクレーターは、外観は似ていますが、色は大部分が黒と灰色で、浸食された壁はオレンジ色とさび色の鉱物でカラフルな帯状になっています。ユービーヒービーの高い火口縁から西を見ると、真面目に名づけられたラストチャンス山脈のひだのような尾根が見えます。

メスキートフラット砂丘

メスキートフラット砂丘

メスキートフラット砂丘
メスキートフラットの砂丘で戯れる

デスバレーを初めて経験するのに最適なのが、高さ30メートルのメスキートフラット砂丘です。デスバレーで最も高い砂丘ではありませんが(最も高いのはユリーカ砂丘で、行くには四輪駆動車が必要です)、最もアクセスしやすい場所にあります。

"The best time to visit is just before sunrise or around sunset because of the incredible show of color and light."

滑らかで砂紋が広がる砂丘を歩くと、見慣れた場所とは違う別世界にいるという実感がわいてきます。砂漠の砂は常に動いているため、砂丘には標識のあるトレイルがありません。駐車場から砂丘で一番高い尾根線まで一直線に進むなどの工夫が必要です。どこまで歩き回るかは自分次第です。行くのに最もよい時間帯は、日の出の直前と日没前後で、色彩と光の素晴らしいショーが繰り広げられます。この時間帯は、長い影と柔らかな光で砂丘の写真が美しく撮れます。早朝には、夜間に動物が残した足跡、特に鳥やげっ歯類の小さな足跡を見つけることができます。満月の夜の砂丘は壮観ですが、夜に砂丘に行く場合、特に暑い季節にはガラガラヘビに注意が必要です。

ソルトクリーク
Brian/Flickr

ソルトクリーク

ソルトクリーク
塩水に生息する「生きた化石」、珍しいパップフィッシュを見る

デスバレーは驚きや不思議であふれています。例えば、乾燥し荒涼としたこの峡谷は、かつては巨大な淡水湖の一部でした。この湖の名残がソルトクリークで、巨大な湖が約1万年前に干上がるにつれ、淡水だった水は塩水に変わったものです。ここにはソルトクリークパップフィッシュが生息しています。体長6.4センチメートルで、ここだけにしかいない種です。この魚は、生息環境の水が淡水から塩水に変わるのに合わせて、新しい環境で生存できるよう進化しました。この進化は、人間でいえば水の代わりにガソリンを飲むようになるのとほぼ同じです。この魚はそれだけでなく、氷点に近い温度からほぼ42˚Cまでの水で生存することができます。

車椅子で利用できる木道が、ソルトグラスとピックルウィードが生える湿地帯を渡ってソルトクリークまで続いています。春には水たまりを覗きこんでみると、小さなパップフィッシュが泳いでいるのが見えるかもしれません。暑い夏にはパップフィッシュは休眠します。ソルトクリークでは、年間を通して美しい鳴き声の鳥やオオアオサギが集まり、小川の塩水だまりは青い空と静まり返る周りのバッドランドを映しています。

砂漠での安全確保
Will Keightley/Flickr

砂漠での安全確保

砂漠での安全確保
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デスバレーは、季節に関係なく極度の高温と乾燥状態になることがありますが、それを軽く見ている人が毎年、後を絶ちません。メスキートフラット砂丘からモザイクキャニオンまでは距離も短く歩きやすいのですが、気温が上がって38˚Cを超えれば命に関わることがあります。車とリュックサックに常に十分に水を用意しておくだけでなく、一日のうち気温が最も高い時間帯にはハードな活動をしないことが重要です。また、車を十分に整備しておき、一日の始まりにはガソリンを満タンにしておくことが必要です。公園内でガソリンを販売しているのは、ファーナスクリーク、パナミントスプリングスリゾート、ストーブパイプウェルズビレッジのみです。毎日、出発前にタイヤ、ガソリンの量、飲料水の量をチェックしましょう。もう一つ注意が必要なこととして、携帯電話はサービスエリアがまばらか圏外となるので、救助を携帯電話に頼らないようにしてください。出発前の準備が大切です。